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自閉症児の親が保育・幼稚園の先生に「モンペ」と呼ばれないために

(出典:illustAC

 自閉症スペクトラム障害児は公的療育を使用しながら、保育園や幼稚園を利用したほうがよいということ、選び方のポイントを以前説明しました。詳細は以下を参照してください。

 今日は、保育園/幼稚園の先生とどのように連携をとることが自閉症児のよりよい園生活につながるかを説明していきます。

保育士や幼稚園教諭は発達障害の勉強をしているか

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 保育園や幼稚園で働いている職員は基本的に保育士免許か幼稚園免許、またはその両方を所有しています。どちらも国家資格です。発達障害の学習機会は以下の通りです。

 私は、保育士を試験で、幼稚園教諭を通信でとっていますが、内容は

  • 自閉症は脳の障害
  • 特別な配慮が必要
  • 柔軟な対応をとっていくことが望ましい

といったあたりさわりのない学習しかなかったことを覚えています。介護等体験では発達障害向けの施設に行くことができますが、他の施設も選べるので必ず経験するわけではないです。

 ということで、保育士と幼稚園教諭は働くまで一切自閉症児と関わったことがないということがほとんどであり、自閉症を概念としては理解しているだけの状態で、自閉症理解は現場での経験にゆだねられています。

保育士/幼稚園の先生の得意、不得意な指導とは

(出典:PhotoAC

保育士、幼稚園教諭の得意、不得意なスキルって何でしょうか?順番に見ていきましょう。まずは保育士です。

 保育士は、日常生活のスキル指導や集団での一斉指示は誰よりもうまいです。また、複数担任も多いですので、保育士同士の連携も得意です。その一方で、学習指導は幼稚園教諭に比べると劣ります。

 幼稚園教諭の得意/不得意なスキルは以下の通りです。

 小学校と同じような学習時間が多いので、学習指導スキルは非常に高いです。一方で、保育時間が短いと集団指導スキルや集団指導スキルは低くなったり、日常生活指導の場面が減るのでトイレトレーニングの指導等では保育士のほうが上手です。

 保育士、幼稚園教諭ともに得意、不得意は若干の差はありますが、大きな違いはありません。共通して苦手なことは問題行動が激しい子供に対して個別対応を取ることです。しかし、これは保育士/幼稚園教諭だけに限らずほとんどの子供の指導者が苦手なことですので特段劣っていることではないです。

保育園/幼稚園に自閉症児の保護者が期待してよいことは

(出典:PhotoAC

  自閉症児の保護者が保育園/幼稚園に期待してよいことはずばり、自閉症児を特別扱いせずに他の子供と同じように指導してもらうこと!です。特別扱いをしてもらいたいのであれば、公的療育や通所施設、加配の先生の利用を考えたらよいです。ですが、そうすると集団行動のスキルが身に付きづらいです。ですから、他の子供と同じように指導してもらい、難しい場合は、個別に担任の先生にヘルプがもらえたらよいです。もちろん、それだけだと集団での行動で困難が生じたりします。そういった場合は、保育園/幼稚園だけでの行動改善は難しいのでご家庭で練習すべきです。

保育園/幼稚園との連携でNGとなる行動は?

(出典:かわいいフリー素材集いらすとや

 では、自閉症児が保育園/幼稚園とうまく連携を取って「モンスターペアレント」と言われないためにはどうすればよいでしょうか?以下のことに気を付けましょう。

 以前お伝えした通り、加配の先生は可能な限り使用しないほうが良いので、利用していないと想定して説明します。基本的には、特別対応をお願いしたり、細かく報告してもらうといったことは難しいと考えましょう。このような対応を期待するのであれば、わざわざ保育園/幼稚園を選ぶ意味がなくなってしまいます。あくまで他児と同じように平等に扱ってくれることを期待すべきです。

保育園/幼稚園とどのように連携すべきか

(出典:SOZAI-GOOD

 では、具体的に保育園/幼稚園とうまく連携するためにはどうすればよいでしょうか。コツは以下の通りです。

 このように、園の先生を盛り立てていくような連携が望ましいです。先生に「やって、やって」と一方的にお願いすると先生方も負担に感じることが多くなりますので注意しましょう。ABAは自分が変わることで他人が変わることを目指す方法です。自閉症児の保護者が変わることで、園の先生が指導しやすくなるようにしていきましょう。

まとめ

 時には園の先生との連携が煩わしいと感じる時もあるかもしれませんが、上記のように、園の先生とうまくつきあっていけば、自閉症児にとって必ずよりよい成長が促せるようになります。自閉症児支援の機会がさほどなかったとしても、先生方はプロですので、慣れたら必ず素晴らしいサービスを提供できます。この方法は小学校以降も使えるものですので、徐々に使用できるようにしていきましょう。

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