フリーオペラント法の理念(DTTにおける問題点の指摘)
佐久間先生の文献でDTTの問題点が指摘されています(P62)。
一.発声、発話に食べ物を随伴させる操作は確かに強化作用が有効に働くだろうが、セッション場面以外で、発声、発語があっても常時食べ物(食餌性好子)が用意されているわけではなく、発声、発語の直後に食べ物が随伴されないという事態が生じる。そうすると抑制作用、消去が働くことになる。
二.ロバースらはびっくりするほどの集中セッションをしている。週に四日、五日も子供を施設に通わせ、発話に至るまでに半年、一年、二年もかかっている。(中略)子ども一人分のセッション経費のトータルを考えると膨大なものになる。(中略)強化随伴性操作を家庭や学校などの日常の中へ持ち込めば、日数も経費もずっと縮小できるはずだ。
三.母親との応答が好子になりえないため、食餌性好子を使用しているが、母親とのやり取りは経験を重ねて好子となるものである。
四.意味の獲得に絵カードを使用しても、実際の生活場面では「おやつ」と言ったりと名称が変わることがある。絵カードで名称を固定化するのは問題である。
五.いつでもだれにでも強力に働く好子である般性好子(般性条件性好子)を使用していない。般性好子は通常一次性好子よりも強化力が高いため、有効活用すべきである。
※表現、語句は坂本が改編しています。
これに対する私の意見はこちらです。