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光とともに…第2巻小学校低学年編第1話

小学校入学を控えた光ですが、光の母親・幸子は妊娠していることから学童保育の利用を考えます。ですが、障害があることから断れてしまいます。
小学校の入学式で光は担任の青木と参加しますが、会場にいた赤ちゃんが泣くことにより、パニックになってしまいます。そんな光に対して入学式に参加していた片倉(幸子の近所に住む母親で幸子のことを妬み、いじめていた)は光を自閉症だと周りの保護者に言い、行動に対して文句を言います。
入学式後、交流学級として1年3組の教室に参加する光と青木。青木は光の障害について説明し、配慮ある対応をとってもらえるように保護者に対して話しかけました。
学校で登園についてのプリントを紛失した幸子は、登校前日に同じ登校班である片倉に電話して集合時間を教わりますが、片倉は嘘の集合時間を伝えます。当日、集合場所で待っていた幸子は立ちくらみを起こし、その間に光は姿を消します。

P5で保育士に「おはよう光くん」と挨拶された光は「お・は・よ・う ひかるくん」と答えています。挨拶ではなく、単なる即時性エコラリアになってしまっています。自発的挨拶を教える必要があります。

P21で幸子は靴の左右を覚えられない光に対して足を指し示して教えるという方法を取っています。否定的な言い方を肯定的に、と説明されていますが、この方法ではプロンプトが出続けているため、光が靴の左右を覚えることはありません。靴の履き方を間違えたら靴の左右をその場で、教えもう一度自分で履かせることをします。もちろん、左右がわからないように靴は揃えず、向きも変えて実施させてよいです。この方法だと、靴の左右に正解しなければ、外に出ることができません。最初は泣くかもしれませんが、必ず自分で靴の左右の違いを覚えます。外出することがごほうび(好子)になっているのであれば、全く気にする必要はありません。

光は入学式で泣き叫んでしまいますが、これは仕方のないことです。なぜなら、入学式は今まで経験したことがないことだからです。行事が苦手というのは自閉症スペクトラム障害児によく聞かれますが、これは正確ではありません。正しくは、慣れていないことは苦手ということです。よって、入学式と同じようなことを映像で見せる、リハーサルを家で行うといったことでパニックは減らせます。嫌がるので行事には参加させない、事前準備をせず行事に参加させるというのは両方とも間違った対応です。正解は、苦手だから前もって練習する、難しい場合は途中一旦抜けるなどの配慮をしてもらうことだと思います。

以上が療育的立場からの意見です。

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