自閉症児向けのご褒美は何か?お勧めは?
自閉症スペクトラム障害児にとって、ご褒美(好子)は条件にもよりますが、指導の効果を非常に高くすることが可能です。好子や使い方に関しては下記のページを参照してください。
今回は、使用しやすい好子のポイントやお勧めの好子を説明していきます。
目次
好子として使用するための条件
好子として使用するための条件は以下の通りです。
1.子供が欲しがる
置いておいたら子供が自分から欲しがるそぶりを見せるようなものでなければ好子としては機能できません。親が渡したら受け取るといったレベルでは大人では「食事に出されたら食べるけれどそれをわざわざ選んで買うようなものではない」ということだと思ってください。ですから、現在日常で使用してしまっているものは好子として使用することが難しいです。
2.細かく分けられる
おもちゃもお菓子も細かく分けて使用できるものでないと何回も繰り返して実施することが難しいです。例えば、公園に遊びに行くとなると、1回で終了してしまいます。好子はできるだけ分割して好子に飽きること(好子の飽和化)をできるだけ遅くすることを目指します。
3.依存性がない
依存性物質を含まないものを選びます。カフェイン等です。大人の場合はニコチン等もNGとなります。
4.執着しすぎない
これは、スマホやゲーム等に多いのですが、短時間渡して回収しようとすると子供の激しい癇癪が起き、その後もなかなか落ち着かないということが起こります。この場合、好子が強すぎる状態ですので、癇癪がコントロールできるようになるまでは使用しないほうが良いでしょう。この場合、癇癪がなくなってくると執着する物は強力な好子となりえますので問題とも言えません。
好子に含まない物
一方、好子となっていても除外しなければならない物は以下の通りです。
1.水分
お茶や水を好子として使用するのはダメです。脱水症状を起こしてしまうかもしれません。お茶や水は常に飲めるように水筒やコップに入れて机の上に置いておくほうが良いでしょう。飲み物を積極的に取らした方が他の好子を欲しがるというメリットもあります。ただし、水分でもジュース等の大量に飲ませたくないような物であれば構いません。
2.すべての食事
食事に出すような物を好子にしてはいけないという訳ではなく、食事全てを好子にしてしまい要求がなければ食べられないというのを最初から実施するのは問題であるということです。これを初期にすると食事が全く食べられないということが想定されます。ただし、言葉のトレーニングが進んできたら食事前に課題を実施するというのは問題ありません。なぜなら言葉を話す難易度が下がるからです。
3.逸脱行動
たとえば、ソファーの上でジャンプする、壁に落書きをするといった許されないような逸脱行動をこうしにするのは問題があります。これにより問題行動が強まる可能性があるからです。