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発達障害診断の流れ、療育手帳、診断のメリットデメリットについて

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 発達障害と診断される流れと療育手帳、発達障害と診断されるメリット/デメリットについて解説していきます。

発達障害と診断される流れ

 発達障害と診断されるのは、次のパターンがあります。

  1. 検診で見つかる
     1歳半検診、3歳児検診等の検診で見つかるパターンです。児童相談所や病院を紹介され、そこで発達検査や面接をすることで発達障害と診断されます。重度でなければ1歳半検診で発達障害と診断されることは稀です。反対に、3歳児検診で診断されずに、就学前検診で診断されるケースは珍しいです。
  2. 支援者による受診の勧め
     保育士・幼稚園教諭、小学校教諭から行動の遅れや集団行動での問題を指摘され、それをきっかけに病院や児童相談所で診断されるケースです。この場合は、検診と同様に早期ではないことが多いです。年少以降であることが多く、小学生以降になって初めて受診を勧められるケースもあります。
  3. 保護者自身の気づき
     保護者自身が自分の子供の行動が気になって病院や児童相談所を受診して診断されるケースです。早期での診断はこのパターンであることが多いです(診断がつく場合、〇〇障害の疑いといった診断名を受けることが多いです)。母子分離で泣かない、言葉の遅れ、アイコンタクトの乏しさ、癇癪の激しさ等の問題で気づくことがあります。

療育手帳について

 療育手帳とは障害者手帳の一種で、発達障害児者に対して交付されるものです。18歳未満であれば医師の診断書を児童相談所に持っていく、もしくは児童相談所で発達検査を受けることで交付されます。

知的障害のある方が福祉サービスなどを利用するために必要な手帳です。障害の程度により、マルA(最重度)、A(重度)、B(中度)、C(軽度)の等級があります。

https://www.city.tsukuba.lg.jp/kosodate/shogaisha/1001359.html

 〇A判定というのはなかなか診断がつくことがありません。全く話せない上に他害行動、自傷行動が激しい場合につくイメージです。
A判定は言葉が全くしゃべれないとなることが多いです。B判定は行動に落ち着きがなかったり、しゃべるけれど言葉が少ない子供に多くつきます。
 療育手帳の等級の基準も等級も都道府県によって異なります。こちらで確認できますが、A~Cというのは珍しく、A~Bまで、もしくは1~4までといった等級があります。療育手帳は関西方面のほうが取得しやすく、関東方面のほうが取得がしずらいということで「西高東低」と言われることがあります(10年以上前のことなので今が同じ状況かどうかはわかりませんが)。

 療育手帳はその等級に応じて様々な優遇措置が受けられるようになっています。例えばつくば市ではこのようなものです。

A判定とB判定では手当、控除に大きな違いがあります。
療育手帳のレベルによって受けられるサポートの種類が異なります。

 このように等級が高い程、費用的、サービス的メリットを受けることができます。ただ、発達障害でもLDやADHDでは高い等級の療育手帳を取得することは珍しく、〇A、A判定を受けるのは自閉症スペクトラム障害と診断されている場合が多いです。

発達障害と診断されるメリットは

  1. 療育サービスの利用ができる
     乳幼児期の場合は不必要なこともありますが、診断名がおりることで療育サービスがスムーズに受けられます。療育手帳をもらって手当がつくことも含まれます。サービスとしては、母子通園施設、通所施設、言語訓練(ST)、作業療法(OT)等です。
  2. 本を参考にできる
     例えば自閉症スペクトラム障害やADHD向けの支援の本はたくさんあります。診断名があれば、障害特有の困りごとに対する方法を書いた本を参考にすることができます。
  3. 薬が使用できる
     コンサータ、リスパダール、漢方薬等の薬を医師に処方してもらい使用することができます。薬は対症療法にしか過ぎないという意見もありますが、行動を落ち着かせる選択肢の一つとしてはあってよいです。

発達障害と診断されるデメリットは

  1. 進路が狭まることがある
     発達障害と診断されていると(特に療育手帳を持っていると)、私立の保育園や幼稚園で断られることがあります。小学校では発達障害と診断されていると普通級に入れないということはありませんが、「支援学校相当」「支援学級相当」等、暗に普通級以外を勧められることがあります。
  2. 子供に対するハードルが極端に下がることがある
     「自閉症スペクトラム障害だからパニックが起こるので無理はさせない」「ADHDだから長時間の着席はできないため離席しても注意しない」等、発達障害と診断されているだけで日々の問題行動が起きていても仕方がないとされることがあります。発達障害であるから普通の子と同じように行動することを期待されなくなってしまうのです。これは、公的療育で特に顕著で、泣いても喚いても「仕方がない」で片づけられてしまいます。
  3. 親や支援者が誤った情報に惑わされる
     「自閉症スペクトラム障害だからこうしなさい」「ADHDはこう育てなさい」等、現代は本でもインターネット上でもたくさんの発達障害児の育児法に溢れています。それらすべてが正しいかというとそうではありません。特に自閉症スペクトラム障害児では、絵カードを必ず使うといった誤った情報に基づいて家族や支援者が支援していることが多々あります。

まとめ

 以上のように発達障害の診断や療育手帳の取得にはメリットもデメリットもあります。メリットのほうが上回るのであれば、発達障害と診断を受けることは何ら問題はありません。ですが、親のモチベーションが下がるといったことがあるのであれば発達障害の診断名をあえて受ける必要はないと思います。
 重要なのは、発達障害と診断されようがされまいが、子供に起こっている問題は改善には何ら関係のないことです。子供の日常での問題を家庭を中心として解決していき、親も子供も生活しやすくなっていくことが理想です。子供についた診断名で一喜一憂するのではなく、子供一人ひとりのよりよい支援を考えていくことがよいでしょう。

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