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発音を教える順番の理由①(自然強化される発音から)

無発語の場合に発音で最初に教えるのは前述の通り、「い」からです。簡単な発音なため、「あ」から教える人も多いですが私は以下の理由から異なります。

発音を教えても、使い道がなければ消えてしまいます(こちらの記事を参照してください)。よって、自然強化される自発マンドを教えつつ、発音をトレーニングしていきます。こちらで説明していますが、「ちょうだい」をバックワードチェイニングで教えていくため、「い」を最初に教えていきます。

「ちょうだい」のバックワードチェイニング手順

動画で確認してください。

このように「い」の発音を教えると並行して使う場面を教えていくことで「い」は自然強化され一生消えない発音になります。

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佐久間先生によるDTTの問題点に対する意見

フリーオペラント法を作った佐久間徹先生によるDTTの問題点の指摘に対する私の意見は以下の通りです。

佐久間先生が指摘するDTTの欠点に対する意見

一.発声、発語に食餌性好子を使用しても全ての場面で好子を使用することが難しいため使用しないほうがよいとされているが、自発的な要求場面にのみ食餌性好子を使用すれば自発マンドが鍛えられ、なおかつ他の発声、発語に対して消去が働くということはありません。要求場面で食餌性好子を使用するのは有効な手段です。

二.DTTでは、週20~40時間という超過密スケジュールでの実施を行っているため、効果を上げていますが、それを日常的な場面で実施できればより効果が高い自然強化が使用できます。例えば、食事の前に自発的に「いただきます」を言わせる等です。

三.大人の応答を好子として使用すべきということには全く同意しますが、ほめことば等の社会的好子も飽きることがあるということに留意しなければなりません(好子の飽和化)。よってほめすぎるのも好子の無駄遣いです。

四.絵カードは最初の取り掛かりとして一番一般的な名前を教える場面としては問題がありません。ですが、そのあとに日常生活場面において様々な名称への般化が必要です。

五.般性条件性好子はだれもが持っている物ではなく、ほめ言葉などの社会的好子と同様に学習によって身につくものです(お金、トークン等)。よって、本で説明されているような誰に対しても万能なものではありません。

以上が私の意見です。

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自然強化と自動強化の違い

自然強化自動強化はどう違うのでしょうか。

違いは以下の通りです。

自然強化と自動強化の違い

いずれも生活の中で自然に起きている強化随伴性なのは同じです。違いは単純に他者や他の環境が関連していることがあるのが自然強化で、すべて個人の範囲で起こるのが自動強化です。

自然強化と自動強化の関係性

つまり、自然強化の一つの種類として自動強化があります。例えば、自己刺激行動

  • 壁をタップし続ける、物を噛む→環境の関連性があるため自然強化
  • 手を顔の前で振る、ジャンプし続ける→他者、環境の関連性がなく個人の行動のみなので自動強化

のように分類できます。

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自然強化されない行動の例

自然強化されていない行動の例は以下の通りです。

自然強化されていない行動の例

  1. 家事の手伝い
    ほめてもそれが好子ではない子供に対して家事は自然強化されない行動です。
  2. タクト
    タクトは要求言語ではないため、他者の注目が好子ではない場合、自然強化されにくいです。
  3. 勉強全般
    勉強全般は勉強が苦手な子供にとって自然強化がされにくい行動です。同様に発声も強化されないうちは消えやすいです。
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自然強化されている行動の例

自然強化されている行動の例は以下の通りです。自然強化されている行動の例

これらの行動は好子に直結しているため、一旦覚えると継続される可能性が高いです(好子による強化)。

 

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自然な強化随伴性(自然強化)とは

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(画像引用:木の素材フリーイラスト

自然な強化随伴性しぜんなきょうかずいはんせい)(natural contingency of reinforcement)/自然強化しぜんきょうか)とは以下のように定義されています。

クライエントのある行動に対して、その人の生活の中で自然に起きている強化随伴性(『行動変容法入門』二瓶社)

つまり、自然の環境場面で行動が好子による強化嫌子による強化によって維持されている状態です。具体例はまた後ほど説明します。

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自発的挨拶を教える④(毎日実施する場面を作る)

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(画像引用:GATAG

自発的挨拶は毎日実施する場面を作らなければ習慣化しません。毎日一回は実践する場面を設けることで望ましいです。

また、挨拶を自分からできたら子供のレベルに合わせてほめてあげることが必要です。例えば、年少児では高い高いをしてあげる、年齢が高い場合はハイタッチをするなどです。こうすることで挨拶することが習慣化され、社会的好子により自然強化されます。

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効果的な介入の優先順位について

アメリカの国立研究協議会(National Research Council: NRC)による自閉症スペクトラム児(Autism Spectrum Disorders: ASD)に対する調査結果(2001)です。ABAを問わず、様々な方法で効果があったものに見られる共通の介入の順番をまとめています。論文はこちらです。

自閉症スペクトラム障害児に効果があった介入法の優先順位

①機能的、自発的コミュニケーション(有効な要求方法・マンドの形成)
②多様な状況における他者との関わりに関する教育(他者との交流)
③子供間の相互関係に焦点を当てた遊びスキル(遊びのスキル)
④自然な環境における技能の習得、維持、および般化自然な強化)→①~③が自然強化されるようにする
⑤問題行動への対処のための機能的評価と積極的行動支援(Positive Behavior Support :PBS)(問題行動の未然防止)
⑥子供のレベルにあった機能的学習能力(学習保障)

自閉症スペクトラム障害に限定されていますが、発達に課題がある子供全てに対しての介入方法として考えて構いません。DTTだと⑥からスタートしてしまうため、効果が薄いです。PRTだと①の自発性が意識されていないことがあるため、注意が必要です。

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ご褒美を使いすぎると逆効果?(強化矛盾について)

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(出典:ピープルズ無料イラスト素材ー2

物の好子は行動を形成しやすくするため、ABAでは重宝します。ですが、一旦行動が形成されたら不自然な好子は減らしていく強化フェイディングが必要になります。

強化フェイディングを行うのは行動を自然強化に移行させるためです。そうしなければいつまでも好子を使い続けなければなりません。

仮に行動の結果で与えている好子を無くした場合、毎回好子を与えるスケジュール(連続強化)よりも不連続で好子を与えるスケジュール(部分強化)のほうが行動が消え辛いことが確認されています。行動の消え辛さを消去抵抗しょうきょていこう)と呼び(消去抵抗が高い程、行動が消え辛く、消去抵抗が低い程、行動が消えやすいです)、連続強化よりも部分強化のほうが行動が消え辛いことを強化矛盾きょうかむじゅん)と呼びます。

自然な環境場面で般化させるためにも、消去抵抗が高い部分強化で教えていく必要があります。

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言語トレーニングのポイント①(日常の場面で行う)

DTTのように机を使った勉強場面をわざわざ設定することは療育のハードルを上げ、継続を難しくします。

よって、私の言語トレーニングでは着席行動を強要することは一切せず、色々な日常場面で行うことを目指します。例えば以下のような場面です。

坂本の方法でトレーニングを行う場面の例

  • 食事中
  • 公園で遊んでいる最中
  • お風呂に入っている時
  • お菓子が欲しい時

これらの場面を有効に活用することで効果的に無理なく言語トレーニングを継続することを目指します(自然強化される行動のため、行動が般化しやすい)。これはPRT自然環境下(NET)でのトレーニングと同様です。

※DTTの勉強場面がダメということではなく、家庭では自然環境下でのトレーニングのほうが実施しやすいという意味です。

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