明確な指示の出し方⑥ブロークンレコードテクニック

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明確な指示を出すため、子供がその行動ができるまで同じ指示を繰り返し続ける方法があります。
これをブロークンレコードテクニックbroken record technique)と呼びます。

例えば、部屋を散らかした子供に指示を出す場合を考えます。

「しまって」「早くやってよ」「きれいにならないでしょ」「いい加減にして」「怒るよ」「早くしないとぶつよ」「もうおもちゃを捨てるからね」等と様々な指示を出すのではなく、単純な指示を繰り返すことで子供の行動を引き出します。片付けるまで「しまって」という指示を言い続けます。

 

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明確な指示の出し方⑤CCQ

明確な指示の出し方を現すCCQという言葉があります。
これはCCQテクニック

  • Calm(穏やかな声で)
  • Close(子供に近づいて)
  • Quiet(ゆっくりと離して)

の略語です。Quietを落ち着いた声で等と訳している文献もあります。ブロークンレコードテクニックと併用されることが多いです。

注意点としては指示に気を使いすぎるのも環境調整プロンプトになりますので、最終的にはCCQを使用しなくても指示に従えるようにしていくことが重要です。

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よって、最終的にはこのような難しい指示でも理解できるようにしなければなりません。

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明確な指示の出し方④一貫した言い方で

明確な指示を出すために、指示語は統一します。

指示語は単純な指示に決めてしまうとわかりやすいです。
ただ、同じ指示語を使い続けることは望ましくありません。

最終的には様々な指示でも行動ができるようにします。指示語を統一するのはあくまでその指示で行動が必ずできるようになるまでです。

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明確な指示の出し方③指示を細かく分ける

細かく分けて指示を出すことも明確な指示のためには欠かせません。

例えば、「手洗っておいで」では行動ができない子供に対しては

  1. 「手を洗って」と指示を出す。
  2. 手を洗えたら「手をふいて」と指示を出す。

の様に指示を分けて行います。これにより、適切な行動がとりやすくなります。

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明確な指示の出し方②単純な指示にする

明確な指示を出すためには、指示は単純にした方が良いです。 例えば、

  • 「机をきれいにして」→「片付けて」
  • 「お母さんの真似してね」→「真似して」
  • 「そんなことしないでね」→「やめて」
  • 「手をきれいにしておいで」→「手洗って」

のように単純で短い指示に変更します。 ですが、常に簡素な指示を出し続ければよいという訳ではありません。その理由はまた説明します。

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要求場面での自発的アイコンタクトトレーニング

アイコンタクトトレーニングで最初に実施するのは要求場面での自発的アイコンタクトです。
このアイコンタクトが一番簡単で素早く身に付けることができます。

方法は簡単です。子供が他者に要求する場面でアイコンタクトをするまで要求に応じなくすればよいだけです。例えば、以下のような場面で実施できます。

要求時のアイコンタクトトレーニング流れコツは②の時に何も声をかけたりせずに待つことです。

映像で確認してみましょう。

こちらではお菓子とiPadを使って言語トレーニングをしています。こちらでは待つことのみでアイコンタクトを教えています。

このような方法で要求場面での自発的アイコンタクトはトレーニングできます。

 

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アイコンタクトトレーニング全般での注意点

アイコンタクトトレーニングでは以下のことに注意します。

  1. 声かけを一切せずに教える
    「目を見て」「何するんだっけ」「それじゃもらえないよ」「お菓子あるよ」等という声かけはしてはいけません。重要なのは自発的にアイコンタクトをすることであって、声かけしたらアイコンタクトをすることではありません。使ってよいプロンプトは待つことのみです。
  2. 大人がしゃがむ、顔を近づけるといったことをせずに教える
    大人がしゃがんだりすることはアイコンタクトを容易にします(プロンプトの一種だと考えてよいです)が、それだと子供が他者の視線に合わせることを覚えにくくします。よって、大人が立っている時は座ったりせず、子供が自発的に見上げたりすることを覚えさせます。子供が違う方向を向いている場合も大人がアイコンタクトができる位置に回り込むことは禁止です。子供に振り向くことを教えられなくなるからです。
  3. 渡す物を大人の目の前にもっていかずに教える
    2と同様にプロンプトとなるので厳禁です。
  4. アイコンタクトをする長さに注意する
    一瞬だけ相手の顔を見ればよいのではありません。求められる長さだけ子供がアイコンタクトを継続できるように教えましょう。

以上のことをアイコンタクトトレーニング全般で注意します。

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要求場面+学習場面でのアイコンタクトトレーニング

アイコンタクトトレーニングの方法1つ目は要求場面+学習場面でのアイコンタクトをトレーニングする手法です。以下のステップでトレーニングしていきます。

  1. 要求場面での自発的アイコンタクトトレーニング
    何か要求をする時に自発的にアイコンタクトをすることを教えます。
  2. 他者の指示等を聞く時のアイコンタクトトレーニング
    大人の指示を聞く時にアイコンタクトをすることを教えます。名前を呼ばれたら相手とアイコンタクトすることも含まれます。
  3. 相手の指示に応答する時のアイコンタクトトレーニング
    相手の質問や指示等に答えた時に相手とアイコンタクトをすることを教えます。

それぞれのトレーニング方法はまた後日説明します。

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アイコンタクトトレーニングの方法

以前お伝えしたようにアイコンタクトを教えることで療育の効果をあげることができます。

アイコンタクトトレーニングは大きく分けて2つの場面で行います。

  1. 要求場面+学習場面でのアイコンタクトトレーニング
  2. 遊び場面でのアイコンタクトトレーニング

それぞれの方法はまた後程説明します。

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アイコンタクトトレーニングの必要性及び効果

私は言語トレーニングをする場合、まず要求時の自発的アイコンタクトを教えます。理由は大きく分けて次の2つです。

  1. 自発的にアイコンタクトをすることを教えることで他者に注目することを教えられる
    要求時のアイコンタクトを教えると、他者の指示を聞いたり(指示を聞くアイコンタクト)、他者の真似をすることを効果的に実施できるようになります。
  2. 最終的には物の好子を使用しなくてもよいようになる
    アイコンタクトを教えて笑顔で褒められることを経験しなければ好子を要求する時に物だけを凝視してしまい、他者からの賞賛などがいつまでも好子として機能しません。

このような点で要求時のアイコンタクトを教えるメリットがあります。

要求時のアイコンタクトトレーニングは集中して実施すれば2週間で完了します。トレーニングを受けた者は定型発達児者よりも要求時に他者の顔を見るようになることが可能です。

その方法はまた別の記事で説明します。

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共同注意の応用(輪島功一の作戦)

共同注意は多くの人間が無意識の内に行ってしまう修正があります。例えば、多くの人が見ている方向を無意識に見たりする行動です。

共同注意の例として元プロボクサーの輪島功一氏の作戦をあげます。

1971年のカルメロ・ボッシ選手との試合中に全く関係のない方向に目線を向け、それにつられて同じ方向を見たボッシ選手を攻撃するという作戦を使いました。輪島氏はこの試合で15回判定にて見事世界王者を獲得しています。

明らかに共同注意の特徴を利用しています。輪島氏は試行錯誤の中で考え付いたのでしょうが、とても素晴らしい工夫だと思います。

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共同注意とは

共同注意きょうどうちゅうい)(joint attention)アイコンタクトを応用したコミュニケーション技法です。共動注視きょうどうちゅうし)としている文献も少数ですが存在します。

アイコンタクトは2人の間の主に目を中心として行われるものですが、共同注意とは「…人と物をかわるがわる見て、その人と一緒に何かに注意を向けること。この行動によって、他者の注意を特定の物やできごとに向ける。普通は生後12か月~24か月頃に身に付く」(発達障害辞典より抜粋)と定義されます。

 

アイコンタクトと共同注意

 

共同注意はアイコンタクトのみで実施されることもありますが、指さしや「あれ見て」といった言葉でなされることもあります。自閉症スペクトラム障害児では好子ではない他の物に他者と注意を払う共同注意の能力が欠損していることが多いことが報告されています。

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アイコンタクトの種類⑤(1~4の場面以外で他者の反応を見るアイコンタクト)

アイコンタクトの種類5つ目は1~4以外の場面で他者の反応を見ることです。

相手の顔色を伺うということでのアイコンタクトが想像しやすいです。例えば

  • 何かをする前に大人の顔を見てから実施する
  • お店で店員に怒鳴っている人の顔を見る
  • 外でぶつかってきた人の顔を見る

このようにこのアイコンタクトは「何でそんなことをするの?」「怒られないかな?」というように相手の反応を見る役割があると推測されます。

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アイコンタクトの種類④(他者に共感を求める時のアイコンタクト)

アイコンタクトの種類4つ目は他者に共感を求める時に使われるものです。

例えば、以下のような場面で見られます。

  • 「ママ、見て」と描いた絵を見せに来る
  • 面白いテレビを見て笑いながら一緒に見ている人の顔を見る
  • うまく滑り台を滑れた後に親とアイコンタクトをする

これらはアイコンタクトを実施している本人にはご褒美等が得られる等のメリットはありませんが、他人と共感する、賞賛してもらうといった好子により成り立っている行動です。

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アイコンタクトの種類③(他者の指示、問い、要求に応えた後に相手の反応を見るアイコンタクト)

アイコンタクトの種類3つ目は他者の要求などに応じた後に相手の反応を見るアイコンタクトです。

このアイコンタクトはアイコンタクトの種類2つ目の他者の指示を聞く時のアイコンタクトの後にされることが多いです。

例としては以下の様な場合です。

  • 「お名前は?」の質問に「5歳」と答えて相手の顔を見る
  • 「座って」の指示に従い座った後に相手の顔を見る
  • 「これいる?」の質問に「いる」と答えて相手の顔を見る。

このように大抵の場合はアイコンタクトの種類②が事前にあることがわかると思います。

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