月別アーカイブ: 2018年10月

自閉症児のためのオンライン保育園/幼稚園を始めました

(出展:かわいいフリー素材集いらすとや

9月からオンラインの保育園/幼稚園を開始しました。

  1. 参加対象者
    3歳から小学校低学年ぐらいまでです。
  2. 内容
    名前を呼ばれて返事をする、立って歌を歌う、ダンスをする、座って話を聞くといったことをオンラインのビデオ通話によって実施します。
  3. 目的
    保育園、幼稚園での生活に慣れることや、先生の音声による一斉指示に従えるようになることを目的にします。
  4. 時間
    火曜日の19時~19時半です。
  5. 料金
    1回400円~700円(参加者数によって異なります)です。
  6. 参加方法
    こちらからご連絡ください。ZOOMを使用しますのでパソコンやタブレットにインストールしてください。
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幼少期のABA療育はトラウマになる??(自閉症スペクトラム障害)

(出典:GAHAG

子供に対する早期のABA集中療育は「後にトラウマになる」「母子関係が壊れる」といったことを言う人がいます(残念ながら同職である臨床心理士が多い印象です)。これは本当なのでしょうか??

ということで調べてみました。

Pubmedで「”Applied behavior analysis” “trauma”」で調べました。結果は7件出ましたが、療育の結果トラウマが起きたというものではなく、トラウマを治療するにはどうすればよいかというものでした。

Ciniiでも調べました。ですが、療育でトラウマが発生するといった論文は確認できませんでした。この場合、「ではABA療育でトラウマにならないという証拠を出せ」というのは悪魔の証明になりますので無理です。よって、ABA療育によってトラウマが生まれる、母子関係に困難が生じるというのはデマです。

では、なぜこのようなことが言われるかは心理特有の”メンタリズム”という考え方が関係しています。メンタリズムの定義は以下の通りです。応用行動分析学からの引用です。

このアプローチでは、行動の次元とは異なる、メンタル、すなわち「内部の」次元が存在すると仮定する。この次元は通常、神経系という特性、ないしは、心的、精神的、主観的、概念的、または仮説的な特性を表している。メンタリズムではこの次元における現象が行動のすべてとまでは言えないにしても、少なくともその一部については、行動の直接の原因になるか、少なくともそれらを媒介するもの、とさらに仮定する。(P.20)

つまり、療育をすることで、内部の次元に問題が起き、トラウマなどが起きるのではないかということを考えるわけです。また、メンタリズムは説明的虚構によって構成されています。

しばしば観察された現象をそれによって説明すると主張する当該の現象の別名という形式をとり、その現象の機能的説明や理解には何ひとつ貢献しない。例えば、ある生命個体がなぜ点灯して食物が入手できるとき挺子を押し、なぜ消灯していて食物が入手できないとき挺子を押さないかを、「知能」や「知的認識」を使って説明する場合のように。(P.1144)

なかなかわかりづらいと思いますが簡単に言うと、現実にはあるかどうかわからない現象(明確には測定することができない行動)をトラウマや母子関係といった名称をつけて説明するけれど、実際の問題の解決に何の役にもたっていない状態です。

ABA療育というのは文句をつけられやすい方法です。私の担当したお客さんがABA療育に対して今まで臨床心理士等に言われたこととしては以下のようなことがあります。

  • 今よくなっても思春期以降にトラウマが起こります
  • ABA療育を実施している日の翌日の療育はすごく調子が悪いです(本当かどうか確認してもらうため、ABA療育を実施した日を療育先に伝えたら全く当たっていませんでした)
  • 今は親子の絆を深める時だから、無理に療育を行ったら母親を信用しなくなりますよ。
  • 動物と同じ訓練をしたら虐待です。
  • 指示をされないと動けないロボットのような子供になります。
  • ABA療育をしているのであれば公的療育には来てほしくないです。

これらの言葉が同業者から出ているのは悲しい限りです。

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自閉症のことばの遅れは親が原因ではない

(出典:PhotoAC

私は、現在2人の男児を育てています。下の子はまだ乳児です。子育てをしている時にとてもよく感じることは、「言葉の発達に親はあまり関与していないことがある」ということです。上の子は1歳から保育園を利用していますが、アンパンマンの歌、他の子供の口癖、先生のまねをいっぱい覚えています。もちろん、親の口癖も真似していますがそれ以上に家以外での言葉の学習が多くなっています。

私としては「ほっといてもこんなに伸びるのか」という感心する気持ちと、「親が言葉を伸ばしている訳ではない」という残念な気持ちがあります。もちろん、保育園を利用せずに家庭保育をしていても言葉は伸びていたと思いますが。

言葉の遅れで医師や心理士に相談するとたいてい「もっと話しかけてあげてください」や「いろいろな遊びをさせてあげてください」といった親の関わりを強調されます。ですが、定型発達児において親のかかわりによって伸びている言語スキルはほんの一部です。ですから、お子様の言葉の遅れを自分のせいだと思わないでください。丁寧に教えないと言葉の学習ができないだけです。

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発達障害児向けのサービスは親の希望とはかけ離れていることがあるということ

(出典:PhotoAC

昨今、障害児向けのサービスというのは数多くあります。例えば、以下のようなものがあります。

  • デイサービス
  • 体操教室
  • SST
  • 水泳教室
  • 個別指導塾

サービス自体が充実してきたことは素晴らしいことだと思います。ですが、これらのサービスの多くが一部の保護者のニーズと乖離していることがあります。

保護者は、定型発達児と同じような能力またはそれに少しでも近づいた能力が育成されることを望んで上記のようなサービスを利用することがあります。

しかし、これらのサービスは個別対応をしっかりとしてできる限り能力を伸ばすということは少なく、多くがレベルを下げて実施することにとどまっていることが多いです。

例えば、癇癪が起きた日は活動をやめたりといつまでも子供の気分に活動が左右されるといったことがあります。

支援はスモールステップで適切にしていかなければなりませんが、いつまでも子供に決定権がある支援では能力の向上が望めません。

今できないことがあることと、練習したらできるようになることがあることを認識して支援する必要があると思います。

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『報酬改定揺れる「放課後デイ」…多くの事業所減収、障害の度合いで差』(記事)

(出典:PENTA

YOMIURI ONLINEの記事です。

 新たな仕組みでは、障害の重い子を多く預かる事業所を「区分1」、軽い子が多い事業所を「区分2」と分けて、報酬に差をつけた。基本報酬は「区分1」は3~5%減、「区分2」は10~12%の減となる。

 「ゆめの森」には比較的重い子が多く、花木さんは「区分1」になると予想した。しかし、市から届いた通知は報酬の低い「区分2」だった。花木さんは再判定を要請。市が改めて保護者に聞き取りを行い、「区分1」となった。それでも新たな報酬体系では今年度は約100万円の赤字になりそうだという。

 市町村からの聞き取りを受けて落ち込む保護者もいる。10歳の息子が「ゆめの森」に通う母親(39)は「親としては『できるようになったこと』を喜びたいのに、『できないこと』を伝えないといけないのがつらい」と話す。

企業の参入等も多かったので、このような報酬減は予想できました。ガイドヘルパーの報酬も同様の経緯で減らされた過去があります。
毎日新聞の少し前の記事にこんなことがかかれていました。

京都市は28日、障害のある小学生らが通う「放課後等デイサービス」の事業所「くるみの森山科3号店」(同市山科区)で今年4月ごろ、管理者的立場の40代の女性マネジャーが障害児1人の頭を平手打ちする虐待をしていたと発表した。同事業所を含む市内の4事業所で1040万円の不正請求もあったとして、運営会社「プレイズコンフォート」(福井市)を10月31日付で指定取り消し処分とした。刑事告発も検討する。

このようなことも起こっているので、精査は必要ですね。

ですが、障害の重い子供を預かるほど報酬が増えるという記事を読んだ時に「ブラックジャックによろしく」の話を思い出しました。

 

(出典:佐藤漫画製作所

このように、いかによりサービスをしたかではなく、何を具体的にしたかということで点数が決められてしまうことは必ずしも質の向上につながらないと思われます。

同様に、家庭内療育を身銭を切って頑張ったご家庭ほど、療育手帳の判定が軽くなって助成金が減らされてしまうこともやるせなさを感じることが多いです。

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『岐阜バーベキュー殺人 被告に懲役15年 発達障害考慮』(記事)

(出典:PhotoAC

毎日新聞の記事です。

判決は殺意の強さを認定し、遺族の処罰感情の厳しさに触れた。一方、アスペルガー症候群による聴覚過敏があったとして「子どもの声を聞いて、小学校時代にいじめられた体験や母に包丁を向けられた体験がフラッシュバックし、ストレスが許容量を超え、声を止めようと包丁を持ち出した」と指摘した。成育過程に一定の同情ができるとも述べた。

まだ地方裁判所の判決ですが、これはいけないです。以前も述べたようにフラッシュバック現象というのは、日本の論文でしか論じられておらず、その存在自体が疑わしい現象です。このような判決が許されるのであれば、弁護士が「フラッシュバックがあった」とすれば刑が軽くなってしまうことになります。

客観性がなく、証明が難しい症状はそもそも裁判の判断材料に取り入られるべきではないです。

 

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支援学校高等部の就職状況について

(出典:PAKUTASO

 障害者の水増し雇用が物議を醸しています。支援学校高等部の就職率を知っていますか。

まずは、少し古いですが厚生労働省の資料を見てみましょう。知的障害の就職率をみると平成26年で31.1%となっています。このデータだと支援学校所属の3人に1人は就職できるように思います。

ですが、注意が必要なのは、ここには高等部から支援学校に編入して来る者が含まれていることです。途中から編入して来る者は支援学級や普通級からくるので、かなりレベルが高い者が多いです。

では、小学部から支援学校に通っている子供の一般企業への就職率はどれくらいなのでしょうか?これは公の文書ではなく現場の先生に聞いた数値ですが、学年に1人いるかどうかという割合です。

つまり、小学部から支援学校に通うということで将来の進路はほぼ作業所か授産施設、デイサービスといった利用になってしまう可能性が比較的高いということです。それを考えると、できるだけ支援級に所属して能力を身に付け、高等部から支援学校に行くほうがよいです。

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『親いなくても18歳になれば… 退所後に待つ厳しい現実』(記事)

(出典:来夢来人

神戸新聞の記事です。

 児童養護施設「尼崎市尼崎学園」(神戸市北区)の子の半数は軽度の知的障害や発達障害、それに似た特性がある。コミュニケーションが苦手だったり、冗談が通じなかったり。「一見、障害があるって分からず、社会では変わった人と見られる」。そんな子たちは、トラブルや壁にぶつかったとき、自分一人で乗り越えることが困難だ。お金の管理など、生活するには大人の支援が必要となる。

そのため退園後の進路は限られ、障害者が共同で生活するグループホームに入ることになる。

何とか仕事に就けても、多くは障害者雇用で非正規。給料は上がらず、ステップアップがないまま年齢を重ねる。そもそも給料だけでは暮らせず、生活保護に頼るケースがほとんどだ。自由に使えるお金はほとんどなく、所帯を持つことも難しい。それでも、専門性を持った職員が支えてくれるグループホームは生活が安定し、安心して送り出せるという。

「一番厳しいのは、障害の手帳はなくてもグレーゾーン、もしくは社会にうまくなじめないケースなんです」

障害を抱える者が高等部卒業後になかなか行き場がないのは、保護者がいてもなくても同じです。ただし、家で保護者が面倒をみながら作業所や授産所に通える分、このような施設育ちの者よりは選択肢が多くなります。

しかし、問題行動が酷い場合や保護者が高齢になった場合は施設入所になってしまうことが多いです。そういったことを考えると家事はある程度できるようにしておいたほうが将来的な自由があると思われます。例えば、グループホームに入るのではなく、ホームヘルパーの力を借りながら一人で生活する等です。

私は常に療育のゴールは「就職及びある程度の自立した生活」であると考えています。「就学まで頑張ればいい」といった短期的な視点ではない支援をすることが重要です。

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『MMRワクチンと自閉症の関連性探るドキュメンタリー公開』(記事)

(出典:PhotoAC

映画ナタリーの記事です。

アメリカのドキュメンタリー映画「Vaxxed: From Cover-Up to Catastrophe」が、「MMRワクチン告発」の邦題で公開される。

本作の監督を務めたのは、生物医学研究者のアンドリュー・ウェイクフィールド。彼は、米国疾病対策センター(CDC)が新三種混合(MMR)ワクチンと自閉症の関連性を示すデータを隠蔽しているという内部告発を受けた生物学者ブライアン・フッカーに協力し、調査を行っていく。

今の時代になってこのような映画が出ることが驚きです。以前の記事にもありましたが、反ワクチン運動は宗教のようにもなってしまっています。フィクションならフィクションときちんと説明すべきですが、ホームページを見る限り大真面目なようです。

この監督はデータをねつ造したことにより医師免許を剥奪された”元”医師であることは忘れないでください。

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『発達障害児に不足する療養環境 オーダーメイドの早期療育が不可欠』(記事)

(出典:GAHAG

HEALTH PRESSの記事です。

 発達障害は生まれつきの脳機能障害であり、症状は個人によって大きく変わります。しかし、各々の特性に合わせて適切な療育や訓練をすることで、その症状を改善し、社会へ適応する力を伸ばすことができます。ここで重要なポイントは、療育をより早期に(小学校入学前まで)始めるということと、家族に寄り添いながら「オーダーメイドの療育」を行うこと。

もっともらしいことが書いてありますが、読み進めていくとおかしいところが出てきます。

 専門性を生かして子どもを深く理解することで、より効果的で効率的な成果に結びつくことを、子どもの顕著な変化によって実感することができます。具体的な変化の例としては、

・笑顔が増え、療育に通うことを楽しみにする
・嬉しい気持ちを共有する言葉が出る(ママー見てー、など)
・椅子に30分座れるようになる
・友達の名前を呼ぶようになる
・柔軟性が出る(ゲームの負けを受け入れられるようになるなど)
などがあります。

これらのことができたとしても子供の生活能力が上がったとは言えないのではないでしょうか。

よくあるのが「療育に喜んで通っている」というものがありますが、私は必ずしもこれはプラスのこととはとらえていません。楽しみにしているということは、大した負担がかかっていない可能性があるということです。療育が楽しいことが悪いわけではありませんが、適切な行動を教えるには、子供に多少なりの負担がかかります。例えば、幼稚園や保育園を嫌がる子供は、そこでの活動がある程度の負担になっている(つまり適切な課題が実施できている)ということです。

また、こちらで挙げていることはすべて遊びを通してできることのみではないでしょうか。自ら言葉で要求する、椅子に座って遊びではなく課題に取り組める、難しい勉強に泣かずに取り組めるといったことの学習は難しいように感じます。

療育を子供が楽しんでいるというのは、親にとっても子供にとっても負担がなくよいように感じるかもしれません。ですが、将来的な成長を考えると多少負担をかけたとしても適切な行動を幼少期に教えたほうが、子供も将来的に行動が広がり、親の負担も減ります。長期的な視点に立って家庭内療育を実施することが望ましいです。

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日本の発達検査は何のために

(出典:Wikipedia

日本の発達検査は何のためにあるのかという疑問が常にあります。就学前に診断を受けるのですが、それは特性を明らかにするためではなく、支援校相当、支援学級相当といった就学前判定の一つの尺度のためにあります。

日本の発達検査の問題は以下の通りです。

  1. 検査自体の妥当性の低さ
    日本で取られる発達検査の多くは田中ビネー式知能検査、新版K式発達検査です。これらの発達検査の最終更新年は、田中ビネーが2005年、新版K式が2001年です。つまり、両方とも10年以上データが変わっていないことになります。一方、WISCでは、1949年、1974年、1991年、2003年、2014年と近代はきちんとアップデートされています。検査の古さは使用される画像にも表れています。

    現在このような車の種類は減っているため、知らない子供もいるのではないでしょうか。一方、コンパクトカーやSUVといった形であれば回答できる子供も増えると思います。
  2. テストバッテリーが組まれることが少ない
    検査は正確性を高めるため、複数行うことが望ましいです。ですが、日本ではたった一つの検査で判断されてしまうことがほとんどです。また、定期的に検査をするわけでもないので進歩がわかりません。

このようなことを考えると、日本での発達検査は検査のための検査になってしまっている感じがぬぐえません。ある検査ができなかった、でもこのような支援をすると回答することができたといった学習特性を知ることが発達検査の役割であると私は思っています。

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