自閉症スペクトラム障害」カテゴリーアーカイブ

発達障害の診断名は行動の原因にされやすい(自閉症療育)


https://www.photo-ac.com/main/detail/1707052?title=%E6%AF%9B%E7%B3%B8%E3%80%80%E8%A1%80%E6%B6%B2%E5%9E%8B

 自閉症スペクトラム障害等の発達障害に行動特性はあるのでしょうか?もちろんあります。それは、行動や起こっている問題が診断基準に含まれているからです。つまり、自閉症スペクトラム障害だからある問題行動をするのではなく、ある問題行動があるから自閉症スペクトラム障害と診断されるのです。

 ですが、一般的な論調は「自閉症だから〇〇だ。」といったものです。これは「A型だから几帳面」と言っていることと何ら変わりません。自閉症スペクトラム障害と一旦診断されると、全ての問題行動や特性が自閉症スペクトラム障害だからこそ起こっているととらえられることに危険性を感じています。

 例えば、自閉症スペクトラム障害当事者が書いたとされる本でも「私は〇〇だから、自閉症スペクトラム障害の人はみんな〇〇」といった記載が多いです。本当に迷惑だからやめてもらいたいです。

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『【海外発!Breaking News】叫ぶ自閉症の息子に「うるさい」と匿名の手紙 母親の反論に賛否の声(英)』(記事)

(出典:GATAG)

Techinsightの記事です。

自閉症の子を持つ親は、周囲の理解が得られないことが多々ある。このほど英グロスタシャー州で、自閉症の息子を持つ母親が匿名の近隣住民から手紙で非難を受けるという出来事が起こり、『The Sun』『Gloucestershire Live』『Mirror』など複数メディアで報じられた。母親はショックを受けながらもFacebookで反論したが、このニュースを知った人々からは賛否両論の声が寄せられている。

グロスタシャー州バークリーに住む2児の母ジェシカ・グリーンさん(27歳)は、自閉症スペクトラムの息子ヘンリー君(3歳)に対して苦情が綴られた手紙を受け取りショックと怒りを感じた

ヘンリー君は言葉を発することができず、音を立てたり悲鳴をあげることでコミュニケーションを取っている。自宅庭でよく遊んでいるというヘンリー君だが、楽しくなるとつい叫んでしまうことが近隣住民を不快にさせたのだろう。その匿名の手紙には、このように記されてあったという。

「家の外で連続して叫び声をあげる子供の責任は、親が持つべきではないのでしょうか。私たち住民はあなたの子供の悲鳴にうんざりして我慢の限界です。あなたの子供のことはみんなが噂していて、親が育児放棄しているのではと言う人もいますよ。何もせずに四六時中子供を叫ばせるなんて尋常ではないし、自分勝手です。通りを隔ててあなたの子供の金切り声が聞こえてきたら、住民は庭で寛いでいられませんよ。去年は何も言わずに我慢していました。今年は子供も少しは成長するだろうと思っていましたが、一日中悲鳴をあげて、ますます酷くなっているじゃないですか。これは反社会的行為です。住民の迷惑を考えて何らかの対応をしてください。さもなければ協議会に報告し、児童福祉サービスにも通報せざるを得なくなります。」

この手紙を読んだジェシカさんは、Facebookでこのように反論した。

「とても腹立たしいです。まず、子供の悲鳴が聞こえたのなら『大丈夫か』と尋ねるぐらいの礼儀があって当然でしょう。だいたいグループ的な書き方をしていますが、特定の人だと思います。誰が書いたのかは想像つきますが、書面ではなく直接私に苦情を言えないなんて臆病者ですよ。未だに自閉症や特別なサポートを必要としている子供のことを理解していない人がいるなんて残念でなりません。手紙の主は自閉症のことをもっと良く知るべきですし、世間にももっと理解してもらいたいと思います。ヘンリーは、いろんな意味でごく普通の子です。トランポリンやサッカーもするし、外で遊ぶのが大好きなんです。確かに叫んだりしますが、もともとハッピーな子なんです。この手紙のことを協議会や警察にも話しました。私たちは育児放棄なんかしていません。夜遅くに何時間も庭に出させているわけじゃないし、もし去年から近所で問題視されていたのであれば、これまでに何か言ってきているはずでしょう。近所の人たちはみんな私のことを擁護してくれています。7歳になる弟思いの娘は、手紙のことを知り涙ぐんでいました。自閉症の子を持つことはとてもハードですが、こんな嫌がらせの手紙をもらうと余計に辛くなります。」

このニュースを知った人からは、「自閉症がどういうものか理解していない愚か者が多すぎる。『叫ぶな』と言っても障がいを持つ子供は理解できない子も多いのに」「障がい児を攻撃するなんて恥知らずの住民だ」「手紙の主、子供が自閉症だってこと知らないんじゃないかな」「住民は手紙じゃなく直接苦情を言うべきだし、この母親もすぐにSNSに投稿するのは良くない。双方が間違っているよ」「住民の苦情は理解できる。誰だって一日中悲鳴を聞かせられたくないし、平和を保つ権利だってあるよ」「双方の言い分があると思う。でも親も叫び続ける息子への対処法はやっぱりあるんじゃないかな」といった声が寄せられている。

自閉症スペクトラム障害だから泣いても仕方がないと考えるのは残念なことです。よくあることですが、現在できないことを発達障害のせいにするのです。発達障害だからできないのではなく、現時点でできないから発達障害と診断されるだけなのですから、泣いている現状をよくしていく働きかけが必要です。

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『「本人が自覚していないと周りが振り回される」「事務作業が苦手」大人の発達障害当事者会で見えた課題』(記事)

(出典:PhotoAC

Yahooニュースの記事です。

 「大人の発達障害」の当事者主体では初めての「発達障害当事者会フォーラム」が、7月17日に都内で開催され、約230人が参加した。

当事者主体のフォーラムには珍しく、超党派の国会議員でつくる「発達障害の支援を考える国会議員連盟」事務局長の高木美智代衆院議員(公明党)も駆けつけ、「発達障害があるかもしれないと気づいてから、ライフステージに応じた支援で連携していく」ことの重要性を訴えた。

19の支援団体などが加盟する、一般社団法人「日本発達障害ネットワーク」の市川宏伸理事長も「人口の1割近くいる発達障害のことがまだあまり知られていない。まず当事者が団結して声を上げるべき」などと指摘した。

とはいえ、今回の主催者である「発達障害当事者協会」が発足してから2年。発達障害の当事者ならではの紆余曲折を経て、協力する当事者団体も「4分裂」状況にある中、ようやく開催にこぎつけたという。

実際、フォーラムでは進行上で、上手くいっていない感じもいくつか垣間見られた。そうした課題をあえて参加者に見える形で話し合えて、結果的に行き詰る。そんな実態を見ていると、未来思考の必要性が伝わってくる。

 第1部では、全国の当事者会に質問票を送付した一般社団法人「発達・精神サポートネットワーク」(川島美由紀代表理事)の調査結果(出典:https://news.yahoo.co.jp/byline/masakiikegami/20170705-00072937/)が報告された。

 調査を取りまとめた東京大学社会科学研究所の御旅屋達助教によると、意外なことに、当事者会に必要な支援について、就労支援は十分に行われているものの、居場所的な支援はあまり行われていないという。

地域によって、「大人の発達障害」支援に対する温度差も感じられた。

学会行くと、発達障害は大人気

こうした報告を受け、第2部では、調査に協力した当事者団体のうち、関東地区にある12団体の代表が発言した。

「周囲の人たちの理解が得られない。できにくかったりするだけで、ふざけてるんじゃないかと受け取られる」

「職場で自分の障害をオープンにするべきか、隠したまま勤務するほうがいいのか、悩んでいる」

そんな一般の人の知らない日常生活における生きづらさや、人には言えない苦しみなどの生の声が交わされた。

各地での当事者会の運営については。

「交通機関で人から見られるのを気にして、なかなか集まれない現状がある」

「財政的な問題があって、個人の持ち出しでは続かない。体力面、経済面、メンタル面などを抱える中で、ボランティアで運営を継続するのは難しい」

といったように、継続の難しさを指摘する声が上がると、うなずく参加者の姿が多く見られた。

「事務作業が苦手。マニュアル化、手順化を進めて、誰でもできることを集約している」

「地方ではITが使えないと、つながることも難しい。ファシリテーターやピアサポーター養成講座などを開催することで、地域で当事者会を始めたいと思っている人たちのコミュニティになると思う」

そんな工夫も共有された。一方で、

「運営を手伝ってくれた人から2年にわたってネットで中傷を受けた。直接、指摘すると“事実を書いているだけだから”と言われ、認知をどうしても変えられない。会を閉じるしかなかった。本人が障害特性を自覚していないと周りが振り回されてしまう」

などと、大小様々な当事者特性の人たちがいる中で、自分で客観的にわかっていないことが、会をつぶしていくこともあるという悩みも明かされた。

「主催者の機嫌を損ねて居場所が減ることを防ぐためにも、対等な立場での紛争調停機関や第3者機関の設立、運営側が対応不能と判断した当事者へのフォローや他への紹介などもお願いしたい」

周囲の人たちに対して、つなぐ側のフォローアップやサポートの窓口を求める意見も出された。

参加者席でやりとりを聞いていた診療所の開業医も発言を求められ、、「学会に行くと、発達障害のシンポジウムは大人気。どこも立ち見が出るほど若い医師が勉強している。ところが、こうした生の当事者の声を全然聞いていない」と指摘した。

大分で発達障害当事者会をつくっている詫磨一紫さん(36歳)は、どこの状況も変わらないんだと感じつつ、

「あれだけ生き生きと話されていると、ああ、自分も頑張ろうって、勇気をもらえる」

という希望も大分に持ち帰りたいと語った。

当事者の声がこれからの制度を変えていく

自らも精神疾患の経験を持ち、当事者や家族と一緒に各地でピアサポート養成講座を開いている聖学院大学人間福祉学部の相川章子教授は、調査報告後の講演で「当事者の声が、これからの支援や政治、制度を変えていく」と訴え、こう指摘した。

「1人の声だと聞いてもらえなくても、集団になれば誰かが聞いてくれる。自分と同じような経験の語りを聞くことで、私もできるかもしれないという希望を得る。明日のことなど考えたくもなかった人たちが集まって、未来を描ける。コミュニティインクルージョン(地域包摂)とダイバシティー(多様性)の架け橋が、ピアサポートなのです」

様々な大小の特性によって、いろいろなことができなくてトラブルにもなる。それでも生きていくしかない。

今回のフォーラムは、当事者が自分たちの拠り所をつくったと社会に提案していくためのプラットホームだ。

偶然ながら、専門家や支援者が違うセクターで出会う。そんな奇跡のような場になっている。

しかも、敢えて課題を見せる形で、催しを開催したことだけでも意義がある。そして、それを実現できた背景には、トラブルがあっても諦めない当事者たちの思いがあった。

大人の発達障害は最近のトレンドの一つですが、このような学会があるのですね。どう社会に働きかけていくかだけではなく、どう自分の症状を改善していくかも焦点になると有効になると思いました。

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『幼児期の行動は遺伝的要因に大きく影響される』(記事)

(出典:GATAG

Yahooニュースの記事です。

以前私のブログで、幼児に人が話しかけているビデオを見せた時、正常児は目を注視することが多いのに、自閉症児では口を見る時間が長く、この方法を用いると自閉症の早期発見が可能であることを示したアトランタ自閉症研究センターからの論文を紹介した。更に、口により強く惹きつけられる自閉症児の性質が、実は扁桃体と呼ばれる脳領域の単一神経レベルで記録できるというロサンゼルスCedar Medical Centerの仕事も紹介した。これらの研究を合わせると、自閉症児の行動変化を脳内ネットワークレベルの違いに落とし込むことができる可能性を示している。

自閉症は遺伝性が強いが、これは血液凝固因子の遺伝子欠損による血友病が遺伝するというレベルの話ではなく、たくさんの遺伝子の違いが集まって初めて自閉症に共通の症状が現れる状態と考えられている。したがって、単一の病気というより、一人一人原因となる遺伝子の組み合わせも違うし、症状の細部も違った状態の集まりで、このため自閉症スペクトラムと、あえて漠然とした名前で呼ばれている。いってみれば、多様な性格の延長として捉えようという考え方が主流になっている(ニューロダイバーシティー(脳の多様性)という考え方)。

しかし自閉症や性格が多くの遺伝子が集まった多様な状態だとすると、ゲノム構造が複雑すぎて遺伝性を調検証するのは簡単ではない。そこで登場するのが双生児の研究だ。一卵性双生児の場合、ゲノムはほぼ同じと考えてよく、どれだけ複雑な組み合わせでも一卵性双生児ではそれが揃っている。従って、自閉症は言うに及ばず、一般的に性格と呼ばれている行動パターンの遺伝性を調べる場合、まず双生児の研究から始めるのが常道だ。

今日紹介したいのは、ビデオを利用して自閉症の早期診断を行っているアトランタ自閉症センターとワシントン大学が共同で発表した論文で、自閉症診断のために開発されてきた特定のビデオを見たときの幼児の反応パターンが遺伝的に強く左右されることを示した画期的な研究で、Natureオンライン版に掲載された(Constantino et al, Nature, 547, 340, 2017)。

この研究では一卵性双生児82人、二卵性双生児84人、それ以外の幼児84人を集め、ビデオを見せたときの目の動きをアイトラッカーで追跡し、特定のビデオを見たときの視線が、ビデオに登場している人物の目を見ているか、口を見ているか、あるいはビデオに注目していないのか、ミリ秒単位で詳細に記録している。この記録を次に、ビデオを見た時の幼児の反応として数値化し、この数値の一致率を一卵性双生児、二卵性双生児、一般児で比べている。もし行動の一致が一卵性双生児のみで見られると、遺伝的要因が強く、一卵性、二卵性を問わず双生児全体で一致率が高い場合は、家庭環境などの外的要因が高いと結論できる。

結果だが、一卵性双生児のみがほぼ完璧な一致を示すが、2卵生双生児と一般児ではペア間の相関がほとんどなくなる(実際の図を見ると一致の程度に目をみはる)。

さらに、ミリ秒単位で画面に対応する目の動きを比べると、目の動き(タイミングや方向)が驚くほど一致していることがわかる。目を急速に動かすサッカードのタイミングにまで一致しており、他にも、同じ方向から網膜への刺激が入ってくる場合は、なんと次の瞬間に目の動く方向まで一致することが示されている。

次に、この一致が、刺激に対する反射の一致なのか、それともそれぞれの幼児の意識を介した目的に基づく行動としての一致なのかを調べ、この一致が単純な反射ではなく、目的に向けた行動パターンに基づく一致(すなわち高次脳機能の一致)であることを示している。言い換えると、幼児が外界(社会)の情報を理解して、自分の志向に合わせた行動を取る過程に関わる脳回路が、遺伝的に決まっていることを示している。

最後に自閉症児での行動パターンも同じように調べているが、目や口に対する反応の差というより、どちらにもほとんど興味を示さないというパターンが特徴のように見える。いずれにせよ、この検査で正常児と明確に区別できる。

今日紹介した一卵性双生児の研究が示すように、このテストで調べることができる行動パターンがここまで遺伝的に決まっているなら、自閉症児の行動パターンも当然同じで、将来遺伝子に基づいて更に詳しく理解できる可能性を示唆している。時間はかかるが、一歩づつ着実な研究が進展していることを実感する論文だと思う。

幼児期の行動は環境の影響を受けにくいので遺伝的影響が大きいと考えることが自然です。ただ、遺伝的影響が大きかったとしてもどの部位の遺伝子の影響が出るかが分かっていない状態なので現状では自閉症スペクトラム障害の早期診断には使用しづらいかもしれませんね。

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『不妊治療と、子どもの発達障害リスク…日本では知らされない大問題』(記事)

(出典:photoAC

女子SPAの記事です。

 不妊治療…30~40代の女性にとっては、気になる言葉ではないでしょうか。

実際、不妊治療を受けるカップルは急増しています。ですがどんな医療にもリスクはつきもの。実は不妊治療にも、大きなリスクがあるのに、それが患者に知らされていないというのです。

そのショッキングな実態に迫る『本当は怖い不妊治療』を上梓した、ジャーナリストの草薙厚子さんに聞きました(同書の監修は黒田優佳子医師)。

 リスクについて聞く前に、まず基礎知識を。「不妊治療」に使われる医療技術である「生殖補助医療」には、次の3つの受精法があります。

①人工授精:精子を子宮内に送り込むだけの方法
②体外受精:体外に取り出した卵子に精子をふりかけて、精子が自力で卵子に侵入するための環境を整え、培養液内で受精させてから子宮に戻す方法
③顕微授精:体外に取り出した卵子に顕微鏡を用いて極細のガラス針で人為的に1匹の精子を穿刺注入し、受精させてから子宮に戻す方法

――この本の中で一番衝撃的だったのは「顕微授精に代表される生殖補助医療によって生まれた子は、そうでない子に比べ、自閉症スペクトラム障害であるリスクが2倍である」という研究結果でした。

草薙:私が取材を進めていく中で、この記事を見つけたのですが、この研究結果は、2015年3月にアメリカの権威ある学術誌に掲載されて世界にショックを与えたものです。しかし、なぜか日本ではほとんど報道されていないのです。

――自主規制するようなデリケートな部分があるのでしょうか。

草薙:最近、よく耳にする機会が増えた自閉症スペクトラム障害は発達障害のひとつで、なかなかデリケートな問題ではあると思います。

自閉症スペクトラム障害は、臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心に強いこだわりがあるのが特徴で、知的障害をともなうこともあります。軽度だと、ふつうに社会生活できる人もたくさんいらっしゃいます。また、関連書物も数多く出版されていますから、一般的に以前より知識と理解が深まっていると思います。

私は1990年代から少年事件の取材をしてきて、自閉症スペクトラム障害が事件の要因の一つになるケースが多いと感じていたんですね。たとえば、神戸連続児童殺傷事件(1997年)を起こした「少年A」は、少年院で自閉症スペクトラム障害と診断されています。

ただし、いつも取材を受ける際は強く訴えているのですが、自閉症スペクトラム障害だから事件を起こすのではなく、誘発要因の一つである可能性があるということです。

ですから、早期発見・早期治療によって、周りで支援をすることが大事なポイントなのです。

そんななかで、「生殖補助医療で生まれる子は、自閉症スペクトラム障害のリスクが2倍」という研究結果を聞いて、関心を持ったのがこの本を書いたきっかけです。

もちろん、これも生殖補助医療そのものが問題だと言いたいわけではなくて、そのリスクを知ったうえで、どの不妊治療の方法を選択していくかを決めるべきだと思うんです。

(後略)

自閉症スペクトラム障害には遺伝的要素が高いこともあまり日本では公にされていません。あらたな差別を生むという可能性があるからでしょうか。

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『TX1A遺伝子の障害と自閉症スペクトラムの関連を解明』

(出典:素材菜園

杏林大学の発表です。

研究のハイライト
  • 神経細胞でのシナプス伝達を制御するSTX1Aの遺伝子が自閉症スペクトラム(ASD)患者の一部で欠損していることを見出した。
  • STX1Aを欠損させたマウスの表現型がASD患者でみられる症状と類似していることを明らかにした。
  • STX1A遺伝子の発現量の変動がASDに関連することを明らかにした。151
概要

シナプス前終末での神経伝達物質の放出など、神経細胞での開口放出を制御する蛋白質の1つとして、HPC-1/Syntaxin1A(STX1A)が知られています。STX1Aは神経細胞の形質膜に多く発現しており、内分泌細胞にもその発現が認められます。これまで我々は、STX1A遺伝子を欠損させたマウスを作成し、その表現型解析を行ってきました。STX1A遺伝子欠損マウスは、ほとんど正常に発育するものの、様々な精神神経疾患に関わるモノアミンおよびオキシトシン等の神経ペプチドの分泌が低下していました。さらに、学習機能の低下、社会行動の障害など、正常マウスとは異なる行動様式を示すことがわかりました(Fujiwara et al J Neurosci 2006、E J Neurosci 2010)。これらはヒト自閉症スペクトラム(ASD)患者でみられる症状と類似していると考えられます。また興味深いことに、STX1A遺伝子欠損マウスの社会行動の障害は、自閉性障害を軽減させる効果があるとして注目されているオキシトシンを投与することにより改善されました(Fujiwara et al J Neurochem 2016)。これらの結果から、ヒトASDとSTX1A遺伝子が関連する可能性があると考え、今回我々は、ASD患者のSTX1A遺伝子について解析を行いました。定量的PCRにより血球細胞におけるSTX1AのmRNAの発現量を測定した結果、多くのASD患者において、STX1Aの発現量が健常者と比べ低下していることがわかりました。そこで、それらの患者のSTX1A遺伝子についてコピー数多型(CNV)解析を行ったところ、その一部においてSTX1A遺伝子がハプロイド(遺伝子数が半減)となっていることを見出しました。これらの結果は、STX1A遺伝子の異常が一部のASDの原因となっていることを示しています。一般に、ASDにはシナプス機能の障害が関わると推測されており、そこには複数の遺伝子が関与すると考えられています。これまでにASDに関連する遺伝子がいくつか報告されていますが、シナプス伝達を直接制御するSTX1Aはその重要な原因遺伝子の1つであると考えられます。また、STX1A遺伝子がハプロイドの患者以外でも、STX1Aの遺伝子発現が変動している患者例が今回の解析で多数認められました。これは神経細胞におけるSTX1Aの発現量の変動がASDに関わることを示唆しており、今後その機序を解明することによりASDの病態解明につながる可能性があります。

新たな研究のようですね。自閉症スペクトラム障害の治療法につながるといいですね。

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『匿名オンライン調査による論文というトンデモ研究に頼る反ワクチン活動』(記事)

(出典:GATAG

Yahooニュースの記事です。

極端な反ワクチン活動家がワクチンと自閉症を結びつけようとしていることはよく知られているかと思います。そして、その証拠は存在しないこと(ワクチンは自閉症と何の関係もないこと)もここで確認しておきます。

そのうえで今回の論文は、伝聞メールで依頼した匿名オンライン自己報告に基づいた研究という、まあ言ってみれば「ヤフー知恵袋で聞いてみました」というレベルの研究でワクチンと自閉症を結びつけようとした「研究者」の話です。

問題の論文は次のよく似た2つの論文です。

Pilot comparative study on the health of vaccinated and unvaccinated 6- to 12-year-old U.S. children

Preterm birth, vaccination and neurodevelopmental disorders: a cross-sectional study of 6-to 12-year-old vaccinated and unvaccinated children

この2つの論文はいずれもJournal of Translational Scienceという雑誌に掲載れていますが、これは全く無名で(雑誌名も無意味です)オンライン雑誌に掲載されています。新しい雑誌であまり掲載された論文の数がありませんが、そのリストをみてもやはり何の雑誌なのかよくわからない雑誌です。つまり、このJournal of Translational Scienceという雑誌は現在山のようにはびこっている中身のないオンライン雑誌の一つと思われます。

この論文の調査は、著者は米国のホームスクーリング(子供を学校に通わせないで家で教育する)団体であるNational Home Education Research Institute (NHERI)に調査を依頼し、団体本部がフロリダ・ルイジアナ・ミシシッピ・オレゴンの地域リーダーたちにメールで調査を依頼、このリーダーたちが地域の団体メンバーに匿名オンライン質問表に答えるよう依頼するメールを転送して調査したとのことです。

つまりこれは、メールの伝言ゲーム+匿名オンライン調査という稀に見る信頼性のなさの組み合わせの調査なわけです。これではそのホームスクーリング団体リーダーたちがどんな人を回答者として選んだのかさっぱりわかりませんよね。それを追跡する方法すらありません。

論文の最後に書いてありますように、この研究のお金はChildren’s Medical Safety Research Institute「子供の医学安全の研究所」という団体からの助成で行われました。これは反ワクチン活動に特化した団体で、同団体はこの論文をもとにトランプに接触しようと試みたようです。(さすがのトランプも反応しなかったようですが)

この論文のどちらか(あるいは別のバージョンが)昨年11月に、Frontiersというまともな雑誌に掲載されかけたようですが、暫定的に掲載決定した段階で科学者たちから速やかに批判を浴び、査読を再度おこなったうえで掲載拒否されています

ワクチンは自閉症と何の関係もありません。この論文はこのようにお粗末な話ばかりで何の注目もする必要も全くないのですが、こうした話は科学業界の事情を知らないと騙されかねないゆえ、ここで少し解説しました。

自閉症スペクトラム障害とワクチンの関係性は完全に否定されているにも関わらず、時折こうした話題が上がってきますね。

保護者としては自閉症スペクトラム障害になった原因が欲しいし、ナチュラリストはワクチンに対するネガティブな意見が欲しいということで利用されることが多いのかもしれません。

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自閉症に対するスラミンの安全性と効果を確かめる小規模治験』(記事)

(出典:GATAG

Yahooニュースの記事です。

自閉症は多くの遺伝子が関わるひとつの症候群で、私たちの性格が複雑なのと根は同じだ。

現在の研究の焦点は当然神経結合や、神経細胞の増殖に向けられており、例えば自閉症や統合失調症の神経幹細胞が高い増殖能を持つという最近の論文などは、重要な進展だと思う。

一方、原因は複雑でも共通の症状がある限り、自閉症全体に共通する異常も存在するはずだと考える研究も進んでいる。

この中で注目されているのは、自閉症の背景に細胞のストレスに対する防御反応があると考えて研究を続けてきたカリフォルニア州立大学サンディエゴ校のグループで、自閉症の患者団体Autism Speaksからこの研究で賞を受賞している。

この研究はすでにマウスモデルを用いた治療実験まで進んでおり、新しい自閉症の治療につながるのではと期待されていた。

今日紹介するのはこのグループがAnnals of clinical translation neurology オンライン版に発表した論文で、いよいよマウスを用いた前臨床研究成果を臨床治験に進めることができたことを宣言する論文だ。タイトルは「Low dose suramin in autism spectrum disorder: a small phase I/II, randomized clinical trial (自閉症に対するスラミンの低容量投与:小規模I/II相無作為化臨床治験)」だ。

このグループの考えは以下のようにまとめることができる。細胞がストレスにさらされると、防御反応として細胞外へのプリンの分泌が高まり、ストレス反応を持続させることに注目して研究を行っている。これまでの研究で、1)これと同じ代謝異常が自閉症で見られること、2)ATPを始めとするプリン体による神経刺激を抑えるとマウス自閉症モデルの症状が改善すること、を示し、自閉症の症状にはこのプリン分泌上昇に伴う、神経興奮状態の変化が存在することを提唱してきた。

細胞外に分泌されたプリンに対する神経反応を抑える薬剤スラミンを自閉症児に投与し、安全性と効果について調べたのが今回の研究だが、治験の規模は最小限で、DMS-5と呼ばれるマニュアルに従って診断された十人の自閉症児(4-17歳と多様)を無作為に五人ずつのグループに分け、片方にはスラミンの静脈注射、もう片方は生理食塩水のみを投与して、副作用、及び様々な神経機能のテストを行い、薬の効果を調べている。

この研究の最も重要な目的はスラミンの安全性を確認することだ。スラミンはアフリカの眠り病の薬として使われているが、多くの副作用があることが分かっている。ただ、今回の治験で使われる量はずっと少ないが、やはり副作用については細心の注意を払った検査が行われている。

一回投与後に副作用としては、自覚症状のない、最終的には自然に消失する発疹が全例で観察されている。これ以外は対照群と比べて大きな変化はなく、治療に十分耐えられることが分かった。

薬剤の血中濃度や代謝についても調べているが、詳細はいいだろう。細心の注意を払って最初の治験研究に望んでいる。

スラミンの効果だが、自閉症児と暮らしている親から見て言語能力や社会性が回復するのが実感されるらしい。自閉症の程度を測る最も信頼されるADOS検査で見ても、はっきりと改善が見られている。一方、生理食塩水投与では変化はない。

自閉症の薬剤治療としてはオキシトシンやリスペリドンしか存在していなかったが、スラミンは治療薬の重要な候補にリストされたように思う。

ただ、著者も強調しているが、自然に治るとはいえ、皮膚の発疹については長期の観察が必要で、また効果についても何年もかかる本試験を基に判断すべきで、この結果はほんの入り口にすぎないことだ。新しい薬剤を待つ患者さんや家族の気持ちはわかるが、この薬が臨床で使われるためにはあと数年は待つ必要があるだろう。

しかし、著者らの意気込みから見て国際治験が始まると思うので、ぜひ我が国も参加して、この可能性の妥当性を確かめてほしいと期待する。

オキシトシンだけではなく、色々な支援方法が研究されるのはよいことですね。臨床実験には時間がかかると思いますが、将来的に有効な薬が実用化されたら素晴らしいと思います。

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『自閉症の人も映画楽しんで』(記事)

(出典:かわいいフリー素材集いらすとや

毎日新聞の記事です。

 自閉症の若者と家族を描いた米国のドキュメンタリー映画「ぼくと魔法の言葉たち」(全国順次公開中)の一部上映館で、同様の障害を持つ人に配慮し「動き回っても声を出してもOK」という“フレンドリー上映”を行っている。

 作品は、3歳で言葉を失い、自閉症と診断されたオーウェン・サスカインドさんとその家族にロジャー・ロス・ウィリアムズ監督が2年間寄り添い、製作した。米国では高い評価を受け、今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞候補にもなった。

 オーウェンさんは6歳まで他者と交流できなかった。あるとき父親は、息子の意味不明の言葉が、彼の好きなディズニーアニメのセリフだと気づき、セリフで話すことで心が通うようになる。「ライオン・キング」や「ピーター・パン」など、ディズニーアニメの名作場面もちりばめ、オーウェンさんの大学生活、職探しや失恋に向き合う様子も描いている。

 シネスイッチ銀座(東京都中央区)は火曜日の2回目を“フレンドリー上映”としている。4月11日は照明をやや明るめにした館内で自閉症の子どもの保護者や乳幼児連れが鑑賞した。これまでも対象者を限定する例はあるが、同館や配給元によると、一般向け上映でこうした企画は国内で初めてだという。

 10歳の長女が自閉症と診断された世田谷区の木村さほさん(44)は、約10年ぶりに映画館で鑑賞した。「自閉症への理解が広まれば、声を上げる様子を怖がる人も減ると思う」と期待する。【大和田香織】

子供連れでも気を使うことは多いので、このようにウェルカムデーを設けてもらうと行きやすいですよね。でも、それとは別にゆくゆくは普通の映画館で見られるように練習していく必要があります。

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『発達障害の夫、カサンドラな妻』(記事)

(出典:GATAG

時事ドットコムニュースの記事です。

「夫が大人の発達障害で、私はいわゆるカサンドラ症候群になってしまいました。病院に通い始めて少しずつ落ち着いて、ようやく周りにも少し話せるようになってきたのですが、驚いたことに、発達障害の身内によってつらい思いをしている友人が周囲に何人もいたのです。この問題は、本当に当事者しか分からないことで、声を上げず苦しんでいる人も多いと思います。広く社会に知ってもらいたいと考えました」

約半年前、古くからの知人にもらったメールには、思いがけない内容が書かれていた。「大人の発達障害」「カサンドラ」と、聞き慣れない言葉も並ぶ。そして何より、知人が深刻な問題を抱え、体調を崩すまで悩んでいたことに驚いた。少し前に顔を合わせた時は、てきぱきと明るく、元気な様子にしか見えなかったのだ。

これをきっかけに「発達障害」について調べ始めたが、2005年5月施行の「発達障害支援法」によって、「発達障害」は「自閉症」「アスペルガー症候群」「学習障害(LD)」「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」などと定義された。同法の施行以降、教育現場などでの取り組みも進み、一般の認知、理解も急速に広がったという。

ただ発達障害といえば「子どもの問題」という認識で、「大人の発達障害」についてはあまり考えたことがなかった。しかし、幼児期に明らかな発達の遅れがないアスペルガー症候群などの場合、子どもの時には気付かず、成長とともに対人関係の不器用さがはっきりとし、職場で問題を抱えるようなケースが多いという。最近は、医療機関や相談機関を訪れる成人も急増。発達障害は大人の問題としても深刻だ。

そして「カサンドラ症候群」。これは知人のメールで初めて目にした。ウェブ上で検索すると、意外に関連情報は多く見つかり、「相手の気持ちや立場を理解することが困難な発達障害を持つ夫と、うまくコミュニケーションを取れずに苦しみ、妻が身体的、精神的な不調に陥る」ような状況を指すことが分かった。妻が発達障害で、夫がカサンドラになる場合もあるが、障害の発生率は男性の方が高いため、女性のケースが多いという。

カサンドラ症候群というのは正式な診断名ではありません。ですから、鬱病の一つとして考えたほうがよいかと思います。基本的に、新しい名前を付けることは誰もしたがるようです。○○法、○○症、○○男子等です。日常的な話題であればよいのですが、支援等を考える問題である場合はあまり不用意に使用しないほうがよいと思います。

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『自閉症の娘が唯一口にする食品が製造中止へ 「飢え死にする」母が不安を吐露(英)』(記事)

(出典:photoAC

exciteニュースの記事です。

自閉症といっても様々な症状があり、周囲には理解が困難な症状を抱える人も存在する。このほど自閉症の5歳女児が、唯一夕飯時に口にする食品が店側で製造中止となり、女児の母親は「このままでは娘は飢えてしまう」と不安を隠せない。英『Mirror』など複数メディアが伝えている。

スタフォードシャー州ルグレーに暮らす2児の母二コラ・パッシーさん(31歳)は、娘ルビーちゃん(5歳)の今後の食生活に悩みを抱えている。なぜなら自閉症のルビーちゃんは感覚調整障害(sensory modulation disorders、SMD)を患っており、食事に対して究極の選択をすることしかできない。

これまで長年ルビーちゃんが夕食にしてきたものは、英大手スーパーチェーン店TESCO(テスコ)の自社ブランドである「Potato Alphabet Crispy Potato Letters」というアルファベット型の冷凍ポテトフライだ。しかし先月、TESCOはこの商品の製造を「不人気」として中止してしまった。

ルビーちゃんは、このポテトフライと一緒に限定されたメーカーのチキンナゲットやターキーナゲットを食べているが、ポテトフライがないとナゲットを口にしないという。

二コラさんはTESCOのポテトフライが製造中止になることを3週間前に知り、オンラインでまとめて購入することを試みたがすでに在庫はなかった。また地元の支店に問い合わせもしたがそこでも在庫切れで、冷凍庫には4袋の買い置きしかない。

二コラさんは現在の心境をこのように話している。

「ルビーの自閉症の症状は、変化を嫌うものなんです。ポテトフライはTESCOブランドの物しか口にしません。違う店のポテトフライを与えても娘にはわかるようで、サイズがほんの少し違ったり、ニオイや色が異なればもう口にしません。今では、TESCOのポテトフライがもう手に入らないとわかっているのか、ルビーはとても不安になっていて『食べたらなくなる』と思って口にしなくなっています。他の食べ物を拒否するばかりでなく、飲み物を十分摂取することさえもルビーにとっては時に苦痛なので、このままでは娘が飢えてしまうと本当に心配しています。娘に他の食べ物を口にするよう強制的にすすめても、一切食べなくなってしまう可能性もあるので無理強いはできません。今でも他の物を食べるなら飢えた方がいいというような態度を取っているのです。自閉症を理解できない人からすれば、『そんな取るに足りないこと』と思うかも知れませんが、私たちにとっては深刻な問題なのです。」

二コラさんは、すがる思いでTESCOの本社にポテトフライの中止を考慮してもらうように連絡したが、一人の消費者のために店側が決断を翻すことはなかった。しかし二コラさん一家にとっては深刻な問題であるために、現在、署名運動をしてTESCOへ「再販」の訴えを試みているという。

このニュースを知った人からは様々な声が寄せられている。

「最初の段階で、子供にそんな冷凍食品なんか与えるのが悪い。親の育て方に問題がある。」
「なければ別のものをまた食べるようになるって。単に甘やかしているだけじゃないのか。」
「別の店のポテトフライをTESCOの袋に入れて出すしか方法がないのでは。TESCOのポテトフライがちょっと変わったのよ、って言ってみるのも手だと思う。」
「TESCOのポテトフライがなくなっても、お母さんが心配するように飢え死にまではいかないはずよ。病院で流動食を受けることもできるし、点滴などの治療も施してもらえるはず。」
「自閉症にはいろいろな形があるってことを知るべき。うちの子も自閉症だからこの家族の悩みが理解できるわ。」

なおTESCO側は、「残念ながらこの商品に関してはすでに製造を中止しております。ですが、このお客様には弊社が別の方法で力になれることがあればと連絡を差し上げるつもりです」と話している。

極端な偏食は食している物がなくなった時にこのような問題に直面します。おそらく、餓死することはないと思いますが、このような状況に陥ることを想定して最初から偏食を直していく訓練ができれば子供への負担が少なかったはずです。偏食というのはひどくなっていく可能性があります。よって程度が酷い場合は、たかが偏食と捉えずに改善を目指していくことが望ましいと思います。

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『発達障害の子の「偏食」に理由があった! イチゴやコロッケを見ると「痛く」なる』(記事)

(出典:GATAG

JCASTの記事です。

  偏食の子どもを持つ親の嘆きは深刻だ。女性向けサイト「発言小町」(2016年2月6日付)に、「超偏食の発達障害児…どうすればいいかわからない」という投稿が載り、反響を集めた(要約抜粋)。

「広汎性発達障害と診断された4歳の子の偏食に、とても悩んでいます。保育園の給食をほとんど食べません。食べられるのはカレーや麺類だけ。家でもカレーや麺類、おにぎり、鮭だけ。果物や牛乳は食べません。保育園と相談し、ふりかけご飯を持たせましたが食べませんでした。自宅で色々な料理を出しても全く手をつけず、結局、『ラーメン食べたい』と騒ぎます。療育センター、発達クリニックに相談しても、『いつかは食べるようになる』『食べる物があるだけでも良かった』といわれます。子どもから逃げ出したくなります」

投稿には同じ悩みを抱えた人の涙ぐましい励ましの声が相次いだ。

「息子が発達障害の偏食でした。牛乳を飲まないので、夏の暑い時期に飲み物を欲しがっても牛乳しか出しませんでした。喉が渇いて仕方なく飲みました。それが冷たくて美味しかったらしく、以後は飲めるようになりました。カレーに色々な物を入れました。みじん切りにしたり、ミキサーにかけたり、試食スタイルで爪楊枝に刺して出したり。一口でも食べないと、食べられる料理を出さない事もしました。今は大学生ですが、ほとんどの物は食べられます。『偏食でも死にはしない』とトライするのがベターだと思います」

   ただ最近は、このように無理やり食べさせるのはトラウマになってよくないという専門家の意見が出ている。発達障害の子どもの偏食は、「好き嫌い」といった性格の問題ではなく、背景には食べ物を見ると気持ちが悪くなる「過敏感覚」の問題があることがわかってきたからだ。2017年4月5日放送のNHK『おはよう日本 発達障害の最新研究 なぜ偏食? どう改善?』では、この「過敏感覚」の問題を取り上げた。

番組には、発達障害の子どもの特別支援を研究している東京学芸大学の高橋智教授が登場した。高橋教授が発達障害の子ども137人を調査すると、半数の子が極端に少ない種類のものしか食べない「偏食」の問題を抱えていた。そして、その子どもたちは発達障害特有の食べ物に対する「過敏な感覚」を持っていた。高橋教授はこう説明する。

「たとえば、美味しそうに見えるイチゴでも、その表面の粒々(つぶつぶ)が目に飛び込んできて気持ちが悪くなる子がいます。コロッケのサクサクした食感を、口の中で針に刺されたように痛いと感じる子がいます。揚げたコロッケの衣を見ただけで、生け花の剣山のような尖った物の恐怖を感じるのです」

見た目だけではない。においをかいだだけで強い吐き気を催す子がいる。モグモグ、パリパリというかむ時に口の中でする音が、耳触りで我慢できないという子もいる。高橋教授はこう語った。

「食べ物を『見る』、においを『かぐ』、かむ音を『聞く』だけで、気持ちが悪くなる子がいるのです。また、食べ物をかんだり、飲みこんだりすることができない子もいます。これまでは、『好き嫌い』とか『わががま』の問題と見られていた偏食の裏には、子どもの特性や生理的な理由があることが研究でわかってきました」

   こうした子どもの特性を理解してあげないと、食べ物に対するトラウマがずっと残る心配がある。番組には高校2年生のA君が登場した。A君は現在もキノコや豆などの「滑らか」な食感の食べ物を受け付けない。ゴムやプラスチックを食べた気がして吐いてしまう。保育園や小学校では、給食を食べ終わるまで1人だけ教室に残され、よく泣いた。人前で食べることが怖くなり、外食ができなくなった。現在も偏食が続き、医師から糖尿病の予備軍と診断され、定期的に血液検査をしている。A君はこう語った。

「小学校の先生が『食べないのはおかしい』と決めつけ、無理に食べさせようとするのがつらかったです」

周囲の無理解が、まだ高校生のA君を糖尿病の一歩手前にまで追いやったわけだ。A君の傍らで母親がこう語った。

「小さい頃に気づいてあげられるのは家族だけです。息子には『ごめんね』という気持ちでいっぱいです」

番組では、発達障害の子どもの「偏食」対策に取り組んでいる広島県の広島市西部こども療育センターの活動を紹介した。子どもたちに給食を提供しているが、栄養士が保護者から食事の傾向を聞き取り調査している。そして、1人1人の特性に合った食事を調理し出している。たとえば、その日の献立は「すき焼き」だった。硬い物が苦手な子には食材をふやかしたり、ミキサーにかけたりして軟らかくして出す。逆に軟らかい物が苦手な子には食材を素揚げにするなど硬くして出す。また、ピーマン、肉、トマト、魚など食材をイラストにして、料理と一緒に見せながら食べさせている。栄養士がこう語った。

「何を食べさせられるかという不安が、偏食になる理由の1つですから、子どもたちに『これはトマトだよ』と教えて安心させるのです」

ここに通う子どもの9割は2年ほどで偏食が治り、通常の学校給食を食べられるようになるそうだ。

発達障害の専門サイトを見ると、偏食の背景に食べ物に対する「感覚過敏」があることを指摘する内容が目につく。「NPO法人ぷるすあるは」が運営する「子ども情報ステーション」(2016年10月19日付)の「こんな子いませんか? 教室でわがままに見える子の感覚過敏」にこう書かれている(要約抜粋)。

「給食時間に牛乳など特定のにおいを嫌がったり、ぬるりした食感を嫌がったりする子はいませんか? 一見、わがままな子に思われますが、努力しても治すことができません。学校の中では、みんなと同じことが求められる場合が多く、大変生きにくい思いをしています。魚のにおいが苦手で、食べることも、スーパーの売り場に行くことも苦手なA君。給食当番でおかず係。今日のおかずはサンマの塩焼きです。食缶のそばに寄るだけで、吐き気がします。吐いてしまったら、みんなのおかずが台無しです。先生に助けを求めました。先生は、分かってくれ、今日は牛乳配りにしてくれました」

では、わが子の偏食が「感覚過敏」によるものだったら、どうしたらよいだろうか。同じく発達障害の専門サイト「うちの子『育てにくい子』?」の「偏食が激しい時の対処法」にはこう書かれている(要約抜粋)。

「発達障害の子の偏食をなくすにはお子さんの観察が大事! まずは子どもが何を嫌っているのか観察します。ちょっとした辛さでも痛いと感じ、とろみのついているものを気持ち悪いと思うことがあります。また、金属のスプーンが唇にふれる感覚を嫌がることもあります。金属の食器を嫌がる場合は、木の物に代えると食べることがあります」

「発達障害の子は、嫌な出来事が強く印象に残ります。『ちょっとでいいから食べてごらん』と言われ、無理やり口に入れられたことが原因となり、何十年たってもその時のことが思い出され、パニック状態になる人がいるほどです。その食べ物に興味を持ったら、ほんの少し食べるところから始めてください。食べたらほめてあげます。ほんの少しとはお米ならばひと粒程度を意味します。障害のある子に、スプーン1杯の量は多すぎます」

この記事で問題であると考えられるのは以下の点です。

①「療育センター、発達クリニックに相談しても、『いつかは食べるようになる』『食べるものがあるだけでも良かった』と言われます

現時点で有効な支援案がない時の常套句「いつかは」です。経過観察をする時によく使われます。

無理やり食べさせるのはトラウマになってよくないという専門家の意見が出ている。発達障害の子どもの偏食は、「好き嫌い」といった性格の問題ではなく、背景には食べ物を見ると気持ちが悪くなる「過敏感覚」の問題があることがわかってきたからだ。 「たとえば、美味しそうに見えるイチゴでも、その表面の粒々(つぶつぶ)が目に飛び込んできて気持ちが悪くなる子がいます。コロッケのサクサクした食感を、口の中で針に刺されたように痛いと感じる子がいます。揚げたコロッケの衣を見ただけで、生け花の剣山のような尖った物の恐怖を感じるのです」。

これはただの推測です。感覚過敏も数値などか判明するのではなく、過敏があると推測されるだけです。つまり、現在問題があるから感覚過敏があると診断します。

「給食時間に牛乳など特定のにおいを嫌がったり、ぬるりした食感を嫌がったりする子はいませんか? 一見、わがままな子に思われますが、努力しても治すことができません。」

努力しても直せないというのは根拠がありません。実際に偏食トレーニングをして色々な物が食べられるようになった子供は多いです。

「発達障害の子は、嫌な出来事が強く印象に残ります。『ちょっとでいいから食べてごらん』と言われ、無理やり口に入れられたことが原因となり、何十年たってもその時のことが思い出され、パニック状態になる人がいるほどです。その食べ物に興味を持ったら、ほんの少し食べるところから始めてください。食べたらほめてあげます。ほんの少しとはお米ならばひと粒程度を意味します。障害のある子に、スプーン1杯の量は多すぎます」

これはフラッシュバック現象のことですね。これも、文献は一つしかなく根拠に乏しいことを以前に説明しました

スプーン一杯が多すぎと言うのは同意します。

 

発達障害によくある捉え方ですが、「○○だからできない」「できない理由は○○だから」とトートロジーでできない理由を説明しています。これらの文献は一部には当てはまるかもしれませんが、全てにあてはまることではないので注意が必要です。

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世界自閉症啓発デー

(出典:PHOTO STOCKER

本日は世界自閉症啓発デーです。自閉症スペクトラム障害の認知度の向上だけではなく、有効な支援方法が広がりますように。

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『自閉症の子ども、けがによる死亡リスクが40倍 米研究』(記事)

(出典:かわいいフリー素材集いらすとや

CNNの記事です。

(CNN) 自閉症の人のけがによる死亡リスクは一般の人々の3倍にのぼり、子どもに限ってみればリスクは40倍にまで跳ね上がるとの調査結果がこのほど公衆衛生関連の米医学誌に掲載された。

自閉症スペクトラム障害と診断された人々は社交術や他社とのコミュニケーションに困難なことが多いが、調査によれば、死亡時の平均年齢は36歳。一般の人々の平均余命は72歳だ。

同調査の執筆者でコロンビア大学で自閉症とけがの関係について研究しているグオフア・リー博士によれば、研究には2つの動機があったという。1つ目は、自閉症の人の数が増えていること。米国には自閉症の人が推定350万人生活しており、その中の約50万人が15歳未満の子どもだという。2つ目の動機は、自閉症の人にとってけがの危険性は高いという事例証拠があることだった。

リー博士らは、死者の人口学的特性と死因についての情報を集めたデータベースを調査。2014年までの15年にわたるデータには3900万人を超える死者の情報が収められていた。死亡診断書などの情報を精査し、1367人が自閉症だったことを突き止めた。このうちの1043人が男性だった。

自閉症は直接的な死因ではないため、死亡診断書に明記されていないこともある。入手できた情報を使い、米国の一般集団を参照しながら死亡率を計算した。

それによれば、自閉症の人の28%がけがによって死亡していた。これは一般集団と比較すると3倍の割合となる。40%超が自宅や住宅型施設で起きていた。

けがで死亡した自閉症の人の平均年齢は約29歳。一般集団の平均は約55歳。

リー博士によれば、14歳以下の子どもがけがにより死亡する危険性は一般集団よりも40倍も高いという。けがに関した全ての死因のなかで溺死が占める割合は46%に達する。これは、他の子どもたちよりも160倍も危険性が高いことを意味するという。

リー博士によれば、溺死のリスクが最も高まるのは5歳から7歳の時期だという。自閉症の子どもは不安になることも多く、安心を得る方法のひとつとして、特に水に向かって徘徊(はいかい)することがある。

自閉症の啓発団体の運営に携わる疫病学者のマイケル・ロサノフ氏によれば、自閉症の子どもの約50%が徘徊を行う。そして、水に魅力を感じることも多いという。

ロサノフ氏も、過去の研究や地元社会との話し合いのなかで、自閉症の子どもは他の子どもたちよりも水に関する事故が悲劇的な結果となることが多いということが示唆されてきたと語った。

自閉症スペクトラム障害は男子に多いということも死亡率を高めている原因かもしれませんね。それにしても40倍も死亡確率が高いというのは衝撃の数字です。

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イタリア、麻疹患者が前年同期比3倍に 低いワクチン接種率

(出典:GATAG

AFPの記事です。

【3月18日 AFP】イタリアの保健省は17日、今年に入ってから同国の麻疹(はしか)患者数が前年同期比で3倍に増えている主な理由は、ワクチンと自閉症との間に関連性があると信じ込んで子どもにワクチンを接種させない親が増えたことだとの見方を示した。

イタリアでは今年に入って700人以上の麻疹患者が報告されている。昨年の患者は同期間で220人、1年間で844人だった。

麻疹患者の半数以上は15~39歳で、感染は同国の中で経済的に豊かなローマ(Rome)、トリノ(Turin)、ミラノ(Milan)、フィレンツェ(Florence)など一部の都市部に集中している。

保健省のデータによれば、2015年の2歳児のワクチン接種率はわずか85.3%にとどまり、世界保健機関(WHO)が麻疹の感染拡大を抑制するために推奨しているワクチン接種率の95%をはるかに下回っている。

麻疹は症状が軽い場合もあるが、合併症を引き起こして死亡することもある。

イタリアは、麻疹と流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、風疹の新3種混合(MMR)ワクチンと自閉症との間に関連性があるとする主張がワクチン接種の安全性をめぐる認識に多大な影響を及ぼした国の一つ。

こうした背景には、2012年にイタリア・リミニ(Rimini)の地方裁判所が1人の自閉症男児に対して疾病原因はMMRワクチンである可能性が非常に高いと結論付け、男児の家族に損害賠償を認める判決を下したことも関係している。

1998年、英国の研究者だったアンドルー・ウェークフィールド(Andrew Wakefield)氏はMMRワクチンと自閉症の間に関係がある可能性を指摘する最初の論文を英医学誌ランセット(The Lancet)に発表したが、ランセットは2010年、内容にねつ造などの問題があったとしてこの論文を全面撤回。ウェークフィールド氏は、英国での医療行為を禁じられた。

その後、多くの大規模な研究が行われたが、ワクチンと自閉症の間に関連性は見いだされていない。

ワクチンと自閉症スペクトラム障害の関係が言われ出したのは、冷蔵庫マザーの概念からの反動であると思われます。バーナード・リムランドのWikipediaで確認してみてください。

自閉症スペクトラム障害を恐れるあまり、他の問題が起きるのは残念なことですね。

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