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癇癪行動のタイムアウトによる強化を防ぐために

前述の通り、泣いたり暴れたりする行動に対してタイムアウトを行うと返って癇癪行為が強化されることがあります。

これを防ぐためには、解放するまでの時間を工夫することが必要です。

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このように、癇癪行為が収まって即座にタイムアウトを終了すると癇癪行為が強化されてしまうことが多いです。これは

  • 単純に息継ぎ等で泣き止んだだけ
  • 癇癪行為があってすぐにタイムアウトが終わる

ことが原因です。これを防ぐためには、連続で癇癪行動が出現した場合は、解放するまでに必要とする泣き止む時間を長くすることが有効です。

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このように、時間を長く設定していくことによって連続して泣いてしまった場合でもなく行動が強化されることなく弱化できます。

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消去を有効に使用するためには①(弱化を使用する)

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(出典:GATAG

有形物獲得行動、注目獲得行動の消去を有効に行うためのポイント一つ目は弱化を使用することです。

消去の問題点の一つに消去バーストが起こり続けるということがあります。消去バーストは消去単体では必ず起こってしまうので、弱化を使うことで防ぐことができます。

ただし、すべての行動を弱化する必要はありません。前述の通り、消去バーストは①癇癪を用いた要求行動②それ以外の要求行動によって構成されています。

①の癇癪行為を弱化してしまえば②は消去だけでも対応可能です。

つまり

  • 弱化→即座に消したい不適切行動を対象にする(攻撃行動、激しく泣く行動等)
  • 消去→放っておいても大人が困らない行動を対象にする(言葉て大人に要求する、静かに一人で泣く行動等)

と分担をします。

弱化は好子を取り上げるタイムアウト(部屋から出す)を使用します。この方法を使用する理由は

消去の方法を守ることが容易
②比較的容易な方法で実施ができる
③他の弱化方法に比べて子供の負担が少ない(好子による弱化

からです。実施方法は後程説明していきます。

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自閉症の自己刺激行動への対応(従来の方法⑥条件的電気刺激提示)

自閉症スペクトラム障害自己刺激行動に対する従来の方法七つ目は条件的電気刺激提示じょうけんてきでんきしげきていじ)(contingent electric stimulation)を使用する方法です。自己刺激行動が出現したら、電気刺激を短時間与え、行動を制止します。

この方法の長所、短所は以下の通りです。自己刺激行動を条件的電気刺激提示で減らす方法のメリット、デメリット

このように、弱化方法としては強力ですが、装置の購入や実施にあたっての理解等のハードルが高い上、般化がしにくいため実施することは少ないと思われます。

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ABC分析から見る消去と弱化の違い①(結果が他者に関連する場合)

ABC分析の観点から消去弱化の違いを説明していきます。

まずは結果の好子の有無が第三者に関連している場合を取り上げます。最初に攻撃行動が好子による強化によって強められている例は以下の通りです。

攻撃行動による要求

 

この行動を消去する場合は以下の通りです。

攻撃行動の消去

 

この行動を弱化する場合は次の2つのパターンがあります。まずは結果に対して働きかける方法の2種類はこちらの通りです。

攻撃行動の嫌子による弱化

実際、このような支援を使用することはないですが叩くという嫌子を用いて行動を弱化しています(嫌子による弱化)。もう一つは以下の通りです。

攻撃行動に対して好子による強化と嫌子による弱化が起こっている場合

このように好子による強化が一旦起きていたとしても嫌子による弱化を行うことができます。この場合、行動が強化されるか弱化されるかは好子と嫌子の力関係によって決まります。

好子が嫌子より強力な場合

このように好子のほうが強力であれば行動は強化され続けます。

嫌子が好子より強力な場合

一方、嫌子の方が強い場合は行動は弱化されます。

 

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消去と弱化の違い

消去弱化の違いは以下の通りです。

消去と弱化の違い2

 

特徴としては、消去の場合は連続で手続きを実施しなければ行動が減少しないのに対し、弱化は連続で弱化手続きを使用しなくても行動が減少していくことです。すべての行動に対して消去手続き、弱化手続きを使用した場合、行動は以下のように変容します。

消去と弱化の行動の減り方

上記のように、消去を使用した場合は一度消去バーストが起きその後少します。減それに対して弱化は即座に行動が減っていきます。次に、すべての行動に対して消去手続き/弱化手続きをするのではなく、4回に1回手続きを使用した場合は以下のように行動が変化します。

消去と弱化の行動の減り方2

 

このように、4回に1回という部分的なスケジュールの場合、消去手続きでは行動が消えずに継続します。これはほかの場面で好子を得る(好子による強化)/嫌子を避けられる(嫌子による強化)というメリットがあるからです。部分強化スケジュールで行動が強化されています。一方、弱化は行動が減っていきます。

よって、『消去手続きは特定の行動に対してすべての機会に使用して初めて効果的な行動を消失させる方法、弱化手続きは特定の行動に部分的使用して効果的に行動を消失させる方法』と言えます。

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弱化の定義

弱化の定義はこちらの通りです。

 

弱化の定義

本によっては嫌子による弱化しか取り上げていませんでした。B.F.Skinner(『科学と人間行動』)の説明だと完璧トートロジーになってしまう気がします。

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自閉症の自己刺激行動への対応(従来の方法⑤叱責)

自閉症スペクトラム障害自己刺激行動に対する従来の方法五つ目は叱責を使用する方法です。自己刺激行動が出現したら、叱り行動を制止します。

この方法の長所、短所は以下の通りです。

叱責の長所、短所

対象者が叱責に慣れ、指導者が叱責を激しくしていき(消去バースト)、暴力行為等に発展することも考えられるのであまりお勧めはできない方法です。

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自閉症の自己刺激行動への対応(従来の方法②積極的練習型過剰修正法)

自閉症スペクトラム障害自己刺激行動に対する従来の方法二つ目は積極的練習型過剰修正法を使用する方法です。自己刺激行動が出現した場合、何度も行動を適切なものに修正します。以下が例です。

積極的練習型過剰修正法の例

適切な行動を繰り返し行わせるというよりは、自己刺激行動と対立する行動をやらせることが多いようです。この方法の欠点は以下の通りです。

自己刺激行動を積極練習法で減らす方法のメリット、デメリット

嫌子による弱化を使用するので、好子がなくても他の場面で行動が般化する可能性が高いです。一方で、目線がさまよう様な自己刺激(首は動いていない状態)のような行動の修正は難しいです。

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消去は単体では使えないことが多い

消去は不適切行動の機能が有形物注目逃避の場合に使用できる行動を消す方法です。

ですが、消去は単体の方法として使用して不適切行動を消すことが難しいこと場合があります。特に介入の初期段階では困難が多いです。それは消去バーストが起こるためです。
消去バーストが起こると攻撃行動等の問題行動が一時的に強まってしまいます。乳幼児ではそれでも放っておけますが、体が大きくなってきた場合、こちらが怪我をしてしまうため、攻撃行動を即座に止める必要があります。

攻撃行動を止めるにはタイムアウト等の弱化の方法が必要になります。よって、消去単体での使用で不適切行動を消失させることは難しいです。

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消去と弱化の違い

消去弱化はともに望ましくない行動を減らすために行動の結果に対して使用される方法です。違いは何でしょうか。

消去と弱化の違いは対象とする行動に対して関連性がない好子・嫌子が関係しているかどうかです。図で確認してみましょう。
発達が気になる子を持つお母さんを支援する講このように、消去はその場に関連する好子を与えない、もしくは嫌子を避けさせないことで行動を減らします。それに対して弱化はその場に関連性のない好子を減らしたり、嫌子を与えたりすることで行動を減少させます。弱化では消去と同様にその場に関連する好子がなくされたり、嫌子を避けられないようにしたりされている場合があります。

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行動を制止するタイムアウトは好子による弱化と嫌子による弱化

行動を制止するタイムアウトは一定時間自由に行動できるという好子を取り除くことにより行動が弱化する好子による弱化とされています。ですが、私は一定時間行動を制止するということは嫌子にあたると思っています。その上、楽しい活動から抜けさせられるという好子の除去も起こっています。 よって、行動を制止するタイムアウトは好子による弱化と嫌子による弱化両方を使用していると考えています。図で表すと以下の通りです。行動を制止するタイムアウト説明

このように好子がなくなり、嫌子が与えられるため、行動を制止するタイムアウトは非常に効果の高い弱化方法となっています。

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行動を制止するタイムアウトの対象とする行動

行動を制止するタイムアウトは以下のような行動に対して使用します。

  1. 子供自身や他者が危険な行動
    道路に飛び出る、大人に対する攻撃行動、物を使って他者を叩くといった行動です。素手での子供同士のケンカ等は危険性がないため、対象とします。
  2. 行動自体が好子となっている望ましくない行動
    机の上に登る、パソコンやテレビ等を触るといった行動自体が好子になっている場合です。特に年少児の場合は行動を制止するタイムアウトでなければルールが理解できないことがあります。

これらが行動を制止するタイムアウトの対象とする行動です。

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行動を制止するタイムアウトの手順

行動を制止するタイムアウトは以下の手順で行います。

  1. 望ましくない行動を子供が行う
    予め決められた行動を制止するタイムアウトの対象となる行動を子供がします。
  2. タイムアウトを宣言
    「物で叩いたからタイムアウトするね」と子供に伝えます。年少児の場合はこの手順はわかりやすくするために省くことが多いです(即時弱化したほうが学習しやすいため)。
  3. 好子のない場所(壁向きの椅子や何もない部屋等)で座らせる(立たせるのも可)
    一人で着席できる場合はタイマーなどを使用して時間をカウントしますが、暴れたりして大人が身体を押さえる必要がある場合はタイマーを使わず、時計等で時間を確認します。
  4. 理由を説明して解放する
    規定の時間が終わればタイムアウトの理由を説明して解放します(「叩かないでね」等)。

連続で望ましくない行動を行った場合はタイムアウトの時間を長くします。映像で確認しましょう。

映像でみてみましょう。(1:00~2:03)

他の子を叩いたため、行動を制止するタイムアウトを実施していますが、物で叩いたりといった危険行為ではないので私はタイムアウトを実施すべきではないと考えます。コーナーに連れて行ってタイムアウトを実施しています。タイムアウトが終わった後にお母さんはキスをして慰めていますが、これをしてしまうと好子を与えているため行動の強化になってしまいます(好子による強化

タイムアウト後は賞賛や非難はせず、「叩かないでね」と言ったことを伝えるのみの冷静な対応を実施しましょう。

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行動を制止するタイムアウトのルール

行動を制止するタイムアウトのルールは以下の通りです。

  1. 時間は(年齢)~5分を上限とすること
    極端に長いと子供の負担が重くなります。
  2. タイムアウト前・後に極端な叱責は避けること
    嫌子を追加してしまうことになるので避けます。怒鳴ったり、叩いたりする代わりにタイムアウトを行っています。
  3. タイムアウトの対象とする行動を予め決めておくこと
    行動を制止するタイムアウトの対象となる行動はまた後日説明します。
  4. タイムアウトを実施する場所は好子が存在しない場所にすること
    タイムアウトを実施する場所に好子があると自分からタイムアウトを望むようになり、行動が弱化しません。行動を制止するタイムアウトを実施する場所では好子がない、殺風景な場所を選ぶようにします。

具体的な実践方法はまた後日説明します。

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行動を制止するタイムアウトについて

タイムアウトの種類2つ目は行動を制止するタイムアウトです。自由に動くことを制止することで、行動を弱化する方法です(好子による弱化)。以下が例です。

  • 子供が他の子をブロックで叩いたので椅子に着席させた(行動を制止することにより行動を弱化する)
  • 子供が親を蹴ったので子供の体を制止し、しばらく待った(行動を制止することにより行動を弱化する)
  • 道路に飛び出たので歩道に連れて行きしばらく体を押さえた(行動を制止することにより行動を弱化する)

図で表すと以下の通りです(クリックで拡大)。

行動を制止するタイムアウト2

 

このように不適切行動をした場合に行動を一定時間行動を制止することで行動を弱化していきます。

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