ABA(応用行動分析学)とは」カテゴリーアーカイブ

身体プロンプトは使えないことが多い(自閉症療育)


https://www.photo-ac.com/main/detail/177594?title=%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%8801

 プロンプトは行動を教えるために使用されることが多いです。その中でも身体プロンプトは多用されることが多いプロンプトです。

 ですが、身体プロンプトは行動を教えるには有効ではない場合があります。それは子供にとって一人で動作をすることが難しい場合です。例えば、服を着る、線を書くと言った動作です。これらは身体プロンプトを使用して教えたとしても子供一人で再現することが難しいです。

 また、身体プロンプトは子供がよそ見をしていて大人に体を預けていても正答できてしまうため、子供が正答を理解しているとは言えない場合があります。

 例えば、映像のように子供が全く集中していなくても正答させてしまうことができるため、このような場面での身体プロンプトを使用して正答を教える効果は薄いです。

 身体プロンプトを使用して教えて効果があるのは

  • 指導者の身体プロンプトを使用しなくてもその行動を子供が再現できる場合
  • 指導者が子供の注目を取って子供が手元を見ている場合

に限られます。

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漢字の書き取りに思う(自閉症療育)

 宿題の漢字練習に時間がかかって困るということはよく聞きます。そもそも漢字の練習を何回も書かせることに意味はあるのでしょうか。

 これは手段の目的化の最たる例だと思います。字を覚えること、字をきれいに書くことが目的であるのに、何回も書くことが目的にすり替わっています。

 そもそも漢字練習は

  • 正しい漢字を何回も書くこと
  • きれいに枠からはみ出さずに書くこと

と複合的な課題になっていることも問題であると思います。きれいな字を書くことを目指すのであれば「きれいにかけた一字を持ってきてください」であればいいし、漢字を覚えることであれば、「学校でテストします」でよいです。

 いっぺんに多くのことを求めてしまっていることも困難を感じる子供が多い一因となっています。

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靴のベロが靴の中に入らないようにするために(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 自閉症スペクトラム障害等の発達障害の子供の親にとって、靴選びは困難があります。靴紐を自分で結ぶことは難しく、靴のベロがある靴ですと靴の奥に入ってしまいがちです。

 そうすると結局靴の選択肢がベロも靴紐もないスリッポンになってしまいます。しかし、履き心地を考えると靴紐やマジックテープの靴も選べるほうがいいですよね。そこで一つの方法があります。

 例として、マジックテープをあげます。このまま足を通すとベロが内側に入ってしまいがちです。そこで一工夫。

 このように、マジックテープの隙間にベロを通してしまいます。デザイン的に可能な靴は限られますが、紐靴であればたいてい可能です。

 視点を変えるとこんな感じです。靴を子供が履けるようになるという根本解決ができるわけではありませんが、靴を履く練習をするまでのつなぎとしてはよい方法だと思います。ちなみに、この方法は私が考案したのではなく、ある支援学級の先生が実施していた方法です。よい方法はどんどん真似していきましょうね。

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優れた指導者はABAを知らずに使用している…訳ではない

(出典:PhotoAC

 よく効果を上げている先生やコーチなどの指導者はABAを使用している、ということを言う人がいます。例えば、

ということが説明されます。これは正しくありません。なぜなら結果論から解説しているだけだからです。効果を上げている指導者はABA的に効果を説明することはできたとしてもABAの見地から効果をあげそうな指導者を事前に予測することができるわけではないからです。

 この手法は、ABAとはアプローチが異なる精神分析のアプローチと似てしまっています。

不幸なことに、精神分析の説明はあまりに概説的であり、行動という行動はすべて説明できる。真に科学的な説明とはそんなものではない。科学的な説明は、多くの諸々の行動の中から特定の一つの行動を予見しなければならないはずである


Marx et al 1963

 ですから、結果のみを講評しているものではなく、今後どうなるかといった予測をはらんだものでなければあまり意味がない物になってしまいます。ABAの主な役割は結果事象の解説ではなく、支援効果の予測であることを忘れないでください。

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家庭内療育で遊びながら教えることは可能か(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 家庭内療育では親がセラピストと同様に機能することが求められます。その中で遊びを通して教えることは可能でしょうか。

 遊びを通して教えることは何度も説明していますが、かなりのスキルが必要です。例えばこちら。

 これはPRTを提唱したKoegelのセラピーですが、子供が途中で癇癪を起こしていることがわかります(0:53~)。つまり、かなりセラピーに習熟した者でも子供の感情をコントロールすることは遊びだけでは難しいということです。

 「最初のセラピーだから」という指摘はあるかもしれませんが、このような激しい反応を見せられるとその時点で親は諦めてしまう可能性もあります。

 遊びで適切な行動を教えていくというのは子供に負担がかからないため理想的ではありますが、子供に負担を掛けないようにすると、簡単でできることに終始してしまう可能性があります。ですから、遊びは遊びで教え適切行動は身についてくれたらラッキーのような考え方でいるほうがよさそうです。

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自分で環境を変えられなければ効果が薄い(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 自閉症スペクトラム障害等の発達障害児は適切な環境であれば能力を発揮します。例えば、自己刺激行動が出づらい環境であれば集中して取り組めます。

 ここでの注意点は、いつまでも周囲の人がおぜん立てをしてはいけないということです。例えば、上のような物が少ない環境で頑張れることは明らかですが、これをいつまでも大人が用意してはいけないです。そうすると、この環境でしか課題ができない可能性があります。もしこのような環境を子供が望んだら

  • 自分からこのような環境を作れること
  • このような環境があるところに移動して学習をすること(図書館の自習室等)

というような行動が取れるように支援することが理想です。そうしなければいつまでも周囲の支援が必要になってしまいます。

 もしくは様々な環境でも能力を発揮できる能力でも構いません。私の場合は、環境を整えずに様々な場面でできるように働きかけていくことが多いです。そうすれば例えまだ経験していない環境でも柔軟に対応できるようになるからです。

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楽しい遊びを教えるためにもまず学習を(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 自閉症スペクトラム障害等の発達障害児に遊びを教えることは時に難しいです。例えば以下のような症状がある場合です。

  • 子供から他者に自発的に働きかけることがほとんどない(アイコンタクトをしない)
  • 子供がおもちゃを適切に使用せず、手を振る、クルクルと回る、奇声をあげるといった行動を繰り返す(自己刺激行動)。

  このような子供に遊びを教えることは

  • 子供が喜ぶ遊びをさせなければいけない。
  • 子供の行動を制御しなければならない(自己刺激行動を制止するなど)。

と高いスキルが求められます。プロのセラピストや子供との遊びが得意な人では可能かもしれませんが、とても難しいです。こういった場合は、まずコンプライアンススキルを先に向上させることが効果的です。なぜかというとコンプライアンススキルが高い子供は自分が好きな遊びでなかったとしても参加してくれるからです。子供は面白いもので、強制的でも参加した遊びは好きになる可能性が高いです。つまり

  • 好きだからその遊びをするようになるのではなく
  • その遊びに参加したから好きになる

可能性があるということです。まずは、自分が好きではない遊びでも参加できるようなスキルを鍛えてみてはどうでしょうか。

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丸暗記と本質的理解との違い

(出典:PAKUTASO

 私は仕事で勉強を教える機会が多くあります。そこで重視していることが丸暗記にならない勉強法をすることです。

 例えば、3+1=4ということはある程度の知能を持つ子供であればすぐに覚えることができます。ですが、それは使えない、ただの暗記です。

 これが本質的に理解でき、使用できるためには例えば以下のような能力が必要となります。

  • 「りんごが3個、バナナが1個あります。全部で何個でしょう。」という文章題の問題を解く。
  • 「3+1=4」が答えになる文章題を作らせる。
  • 3+1=4をブロックで計算の確かめができるようにする。

 これらができていれば、本質的な部分を理解したといえると思います。学校ではそこまで細かく教えることが難しいので、セラピーではこれらを補っていくことを目指しています。

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服の後ろ前を理解させる前に

(出典:PhotoAC

 子供が服の後ろ前を理解しないということは多くある悩みだと思います。「よく見なさい」と毎日怒っていませんか?後ろ前を教える前にやるべきことがあります。

 それは正しい向きに置けば一人で着替えられることです。

 パンツは履く方向に。

 シャツは後ろ向きに置いて

 これで正しく着れることをまず目指します。間違いなく着れるようになったら、後ろ前の区別が教えられます。

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言語訓練をしなくても(自閉症療育)

(出典:GAHAG

 「無理に言語を伸ばしても仕方がない」「言葉の訓練をすると子供の話す意欲を削ぐ」

 これらは、残念ながら療育ではよく聞く言葉です。百歩譲ってこれらの言葉が正しかったとしても、だからといって言葉のトレーニングができない訳ではありません。

 最初に重要なのは、

  • 発語機会を増やすこと
  • 声のボリュームを大きくすること

です。これらのことは、言語訓練をしていない状態でも練習させることができます。つまり、日常的に独り言として①何かをしゃべった時②(奇声、笑い声を除く)大声が出た時にほめたり、お菓子などの好子を渡して強化していくのです。

 実に簡単なことなので、上記のことは家庭内療育でまだ話せない子供の支援としては実施しやすいと思います。

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ご褒美(好子)を使える子供のほうが少ない(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 ABAでは、基本的に好子による強化で行動を形成します。ですので、好子探しが非常に重要になってきます。

 ですが、実際のDTTでのセラピーを見てください。

 これらの好子の使い方でわかることは

  • 子供は自発的におもちゃやお菓子を欲しいと訴えている訳ではないケースがほとんど
  • あくまでセラピストがお菓子やおもちゃを渡している(子供は渡されたから受け取っている)

 特に2:20の子供や2:30の子供は注目が取れていません。おもちゃやお菓子を受け取ったからと言って行動が強まったとは言えないのではないでしょうか。

 あくまで、好子は

「置いておいたら『欲しい』とその子のレベルに合わせて他人に訴えてくるもの」であると考えています。ビデオのような好子は「くれたらもらうもの」であって「欲しいもの」ではないです。

 そう考えると私が求めるレベルの強い好子がセラピー開始時点である子供は、20%程度であると感じます。ですから、特別な好子がなくても日常的な食事やテレビといった好子で頑張れることや、そもそも好子なしで頑張れるといったことが非常にじ重要です。

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子供が注視しているか確認する方法(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 以前、子供に「ちゃんと見て」という指示は使えないと説明しました。では、代わりにどうすればよいのでしょうか。

 それは、マッチングを使用することです。マッチングを使用すると子供がしっかりと注視しているかどうかがわかります。例えば、以下の動画です。

 このように、大人が提示した刺激と同じ刺激を選べているかどうかをチェックすることによって、子供が中止できているかどうかを確認できます。

 この方法を使うと、

  1. 単純に対象物を注視していない(正しい選択肢を選べない)
  2. 対象物を弁別しているけれどできない

ことを区別できます。

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「ちゃんと見て」は使えません(自閉症療育)

(出典:PhotoAC

 ひらがなの読み方や、文字の書き方、カード課題をする時に何回も子供が間違えることがあります。こういう時にやりがちなことは「ちゃんと見て」といって指をさすことです。

 ですが、これらの指示は効果的とは言えないです。なぜなら、そのように声掛けをしても、子供がきちんと対象物を注視しているかどうかがわからないからです。

 では、子供がきちんと見ているかどうかを確認するためにはどうすればよいのでしょうか。その方法はまた後程説明いたします。

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受容言語は表出言語を教えれば必要ない

(出典:PAKUTASO

 ABAのプログラムでは受容言語を多く教えます。例えば、このようなものです。

 上記の例では、指示された数字のカードを選ぶ課題を実施しています。このように、「ブドウはどれ」「赤色はどれ」といった質問は多くのプログラムであります。

 ですが、これらはあえてやる必要はないと思います。なぜなら「これ何(何色)」と答えられるのであればわざわざ教える必要がないからです。

 数字のカードも「これ読んで」でできるようであれば、わざわざ選ぶ課題を実施しなくてもよいです。同様に、平仮名なども指示されたカードを選ぶのではなく、発音させるほうが課題の省略になります。

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算数を教える時のツール(図形キューブ積み木)

(出典:くもん出版

 算数ではカウントや足し算、引き算を教えます。その時に、非常に使いやすいのが、図形キューブ積み木です。

 図形キューブ積み木は5色の正方形の積み木が10個ずつ入っています。本来、遊んだり、下の図のように絵柄に沿って組み立てをしたりするものです。

 私はカウントを教えたり、足し算・引き算の初歩を教える時に使用しています。数図ブロックよりも数が多く重宝しています。使い方はまた後程説明していきます。

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