発達障害児ができない行動の理由を考えても意味がない
(出典:PhotoAC)
自閉症スペクトラム障害等の発達障害を解説する記事の多くでは「〇〇が苦手」「〇〇ができない」といった書かれ方をしていることがあります。
例えば、こちらの記事です。
自閉症の子どもは感覚器官が敏感で、音や臭いを私たち以上に感じます。病院は私たちにとっても異質で緊張感があり、日常とは違う音や臭いに溢れています。新しい環境や人間関係・不慣れな環境など一度嫌と感じたことには私たち以上に困難を感じます。そして苦痛やトラウマになった後は一切拒否することも多く、克服は難しいです。(看護師)自閉症は臨機応変に対応出来ない・人の真似が出来ない・言葉での説明(特に比喩や抽象的な言葉)を理解出来ない・以前の状況を想起出来ない等の特徴がある一方で、規則を作ったり約束することで受け入れてくれる場合もあります。(看護師)
これらはただの推測にしか過ぎません。「できない」というのは正しい表現ではありません。正しくは(特定の行動をさせようとすると)「(泣いたり暴れたりするため大人がその行動をさせることが)できない」です。
ですが、多くの記事ではできない理由を考えて書いてあります。
- 感覚過敏がある
- こだわりがある
- 理解ができない
これらは、正解ではない可能性があります。重要なのは、できない理由ではなく、どうしたらできるかの支援案を考えることです。ですから、できない理由を説明されても何ら助けになりません。
私が当事者が書いた本を当てにしないのもこれが理由です。どのように問題を解決するかではなく、どのような支援が欲しいか、いかに自分が困っているかを書かれているだけのことが多いからです。
自閉症スペクトラム障害だから、発達障害だからといった子供の支援の幅を狭めることがなくなりますように。