言語訓練は動作模倣?
言語訓練をしていてちょっと前に気付いたことがあります。それは音声模倣も動作模倣の一つであるということです。
私たちは他人の音声を認識する時に、口の形や前後の文章の関係性を判断しています。よって、発音だけだと音声を区別できないことがあるのです。下の動画をチェックしてください。ただし、注意点があります。
- 1回目は音を消して映像を見て男の人が何と言っているか推測してください。
- 2回目は音を出して映像を見て男の人が何と言っているか聞き取ってください。
- 3回目は音を出しますが映像を見ずに男の人が何と言っているか聞き取ってください。
- 音なしで映像をチェックすると「ガ」を言っているように見える人が多いです。
- 音付きで映像をチェックすると「ダ」と言っているように聞こえる人が多いです。
- 音だけをチェックすると「バ」と言っているように聞こえる人が多いです。
実はこの動画、「ガ」の口の動きに「バ」の発音を足しているのです。視覚的には「ガ」の口なので映像で見ると「ガ」に聞こえます。ですが、音付きの映像では「ガ」の口の動きに「バ」の発音なので一番可能性が高い「ダ」に聞こえます。目を閉じると口に騙されないようになるので「バ」と聞こえます。
これはマガーク効果(The McGurk effect)と呼ばれ、人間が口の動きから相手の言っていることを判断している証拠です。
ですから、アイコンタクトをして口の模倣(口形模倣)してから発音を教えることは重要なのです。口の形なしでは違った音に認知されてしまうかもしれませんから。