自閉症児に自分でルールを決めさせる〜ABAのセルフマネジメント〜

自閉症児に
- 宿題を始める。
- 決めた時間に動画を終える。
- 忘れ物を確認する。
- 自分で予定を確認する。
等の行動を教えることがあります。
最初は
- 親が声をかける。
- 親が確認する。
- 親が予定を決める。
という対応が必要でも最終的には
親から言われなくても
自分で行動できることを目指します。
ABAでは自分の行動を確認したり
自分で予定を決めたり
必要に応じて記録したりすることで
自分の行動を管理することを
セルフマネジメント(self-management)
と呼びます。
目次
1.セルフマネジメントでは自分の行動を自分で管理する
通常の支援では
- 親が「宿題して」と指示する。
- 子供が宿題をする。
- 親が確認する。
という流れがあります。
セルフマネジメントでは
- 子供自身がいつ行うか決める。
- 時間を確認する。
- 行動する。
- できたか確認する。
という部分を少しずつ担当します。
例えば
- 「宿題を帰宅後すぐする」と自分で決める。
- 帰宅する。
- 宿題を始める。
- 終わったら自分で答え合わせする。
という流れです。
最終的には大人からの管理を
減らすことを目指します。

2.まず一人でできる行動であることを確認する
セルフマネジメントはできない行動を
自分で管理させる方法ではありません。
例えば一人では解けない計算問題を
子供一人で取り組んだとしても
できるようにはなりません。
最初に確認することは
指示されればその行動ができるかです。
例えば一人で
- 着替えられる。
- 歯を磨ける。
- 宿題を解ける。
- 動画を終了できる。
- ランドセルへ教材を入れられる。
等です。
できない部分がある場合は
先にその行動自体を教えます。

3.最初から全てを自分で決めさせない
セルフマネジメントを教えるからといって
最初から
- 何時に宿題をするか。
- 何分勉強するか。
- どの課題をするか。
- 動画を何分見るか。
- 何時に風呂へ入るか。
- 何時に寝るか。
等全てを本人に
決めさせる必要はありません。
管理する項目が多過ぎると
何を決めればよいのか
分からなくなります。
最初は一つだけ
本人が決めるようにします。
例えば宿題を
- 遊ぶ前にする。
- 遊んだ後にする。
のどちらにするか選びます。
宿題の量やその日に行う課題は
大人が決めたままでも構いません。
子供が「遊んだ後に宿題をする」
と決めたのであれば遊びが終わった後に
実際に宿題をします。
まずは
- 自分で決める。
- 即座に決めた通りに行動する。
という簡単な経験を繰り返します。
それが安定してから
- 宿題を始める時間。
- 明日の準備をする時間。
- 動画を見る時間。
等自分で管理する項目を
少しずつ増やします。
4.大人の指示でできる状態から始める
子供が
親から「歯を磨いて」と言われれば歯を磨ける。
しかし
言われなければ始めない。
ということがあります。
この場合
歯磨きそのものはできています。
問題は歯磨きを始める合図が
親の指示になっていることです。
そこで親の指示から
- 時計。
- 予定。
- 活動の終了。
- 自分で決めた順番。
等へ行動を始める合図を変えていきます。
例えば「お風呂の後に歯を磨く」
と決めます。
- お風呂から出る。
- 歯を磨く。
という流れを作ります。

5.自分で確認できる方法を作る
セルフマネジメントでは
予定通り行動できたかを子供自身が
確認できる方法を使うことがあります。
例えば
- 時計を見る。
- カレンダーへ丸をつける。
- チェックリストで確認する。
等です。
ただ記録すること自体が
新しい難しい課題になる場合は
使用しません。
何十項目もある複雑なチェック表ではなく
最初は一つの項目等の
簡単なものから始めます。
6.自己記録は実際の行動と一致させる
子供が自分で記録する場合
実際にはしていないのに「できた」
へ丸をつけることがあります。
この場合記録だけを見ても
行動を確認できません。
最初は
- 子供が記録する。
- 子供が大人に報告する。
- 大人も実際の行動を確認する。
という形にします。
例えば
- 宿題を終える。
- 子供がカレンダーへ丸をつける。
- 親に終わったことを報告する。
- 親が宿題を確認する。
という流れです。
記録と実際の行動が
一致するようになったら
大人の確認を毎回ではなく
不定期でします。
全くチェックしなくなると
サボることが多いので注意が必要です。
7.目標は具体的な行動にする
セルフマネジメントでも
- 「ちゃんとする」
- 「頑張る」
- 「いい子にする」
という目標ではできたか確認できません。
例えば
- 服を着る。
- 歯を磨く。
- ランドセルを持つ。
- 7時40分までに玄関へ行く。
等実際に確認できる行動にします。
ただし最初からこれら全てを
自己管理させる必要はありません。
最初は「7時40分までに玄関へ行く」
等一つの行動から始めても構いません。
8.記録すること自体を目的にしない
- カレンダー。
- チェック表。
- 予定表。
- 記録用紙。
等はセルフマネジメントを
助ける道具です。
ですが
記録すること自体が目的ではありません。
例えば
- 毎日チェック表には丸をつけている。
- しかし親が「チェックして」と言わなければ何もしない。
- チェックを見ても次の行動をしない。
のであれば自己管理には
つながっていません。
最終的に確認することは
丸をつけたかではなく
自分で決めた予定に沿って
必要な行動ができたかです。
9.特別なご褒美がなくても続けられるようにする
最初は
- 宿題が終わったら動画。
- 準備が終わったら遊ぶ。
等、行動後に
好きな活動へ進むこともできます。
しかし
- 毎日記録したらお菓子。
- 一週間できたら玩具。
という仕組みを
長期間続ける必要はありません。
例えば
- 宿題が終わる。
- 自由時間になる。
- 外出準備が終わる。
- 歯磨きが終わる。
- 寝る準備へ進む。
という
生活の中にある結果へ
移していきます。
セルフマネジメントでは
特別なご褒美がなくても
自分の生活を自分で進められることを
最終的に目指します。
10.セルフマネジメントが使いにくい子供もいる
セルフマネジメントには
- 選択肢を理解する。
- 自分の行動を確認する。
- 時間や予定を理解する。
- 決めた行動を一人で実行する。
等のスキルが必要です。
そのため
- 年齢が低い子供。
- 知的障害がある子供。
- 言葉や時間の理解が難しい子供。
では複雑なセルフマネジメントが
難しい場合があります。
この場合は
無理に
- 予定管理。
- 自己記録。
- チェック表。
等を教える必要はありません。
まず
- 大人の一回の指示で
行動する。 - 決められた生活の流れで
行動する。
というスキルを教えます。
その後二つの選択肢から順番を決める等
簡単な自己管理から始めます。
実践例
子供は親から言われれば
宿題をすることができます。
しかし帰宅すると
自分から宿題を始めることはなく
毎日親が「宿題して」
と声をかけていました。
そこで最初は子供の選択がすることは
宿題を
- 遊ぶ前にする。
- 遊んだ後にする。
のどちらにするかだけにしました。
親が「今日は宿題を遊ぶ前と後どっちにする?」
と聞きます。
子供が「遊んだ後」と答えます。
遊びが終わった後は決めた通り
宿題を行います。
最初は親が「遊び終わったよ」
と一度だけ伝えます。
宿題を始められるようになったら
親からの声かけをなくします。
子供が自分で
- 遊ぶ前か後か決める。
- 選んだ順番通りに行動する。
ということが安定してから
次に
- 宿題を何時から始めるか。
- 明日の準備を
宿題の前後どちらにするか。
等本人が決める項目を
一つずつ増やします。
最終的には
親が一日の予定を全て指示しなくても
自分で簡単な予定を決めた通りに
生活を進められることを目指します。
メルマガをしています。





