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自閉症児の家でできる行動を色々な状今日でできるために〜ABAの般化〜

自閉症児に新しい行動を教えた時に

  • 家ではできる。
  • 母親とはできる。
  • いつもの教材ならできる。
  • しかし園や学校では行動しない

と言うことが起こります。

例えば家では

  • 挨拶ができる。
  • 文字を読める。
  • 片づけができる。
  • 親の指示に従える。

にも関わらず人や場所が変わると
同じ行動をしません。

一つの条件で覚えた行動を
違う条件でも使うことを
般化(はんか)と呼びます。

般化では様々なバリエーションで
練習させることにより行動の応用力を
あげていくことを目指します。

ただし全ての人、場所、物で
一つずつ練習することには
限界があります。

母親、父親、祖父母、先生
店員、友達等
全ての相手と練習することはできません。

そのため般化では
人や場所を変えるだけでなく
家庭で求める行動の基準を
十分に高くすることが重要です。

家庭で高い基準の行動が
安定してできることで
他の人や場所でもある程度同じ行動が
出ることを目指します。

1.般化にはいくつかの種類がある

般化にはいくつかの種類があります。

日常的には
人物般化、場面般化、教材般化等
と分けます。

ABAではこれらの多くを刺激般化として
まとめて説明することがあります。

刺激般化とは
人、場所、物、指示等の
行動前の条件が変わっても
同じ行動をすることです。

反応般化は同じ場面で行動の種類が
広がることです。

例えば

「貸して」を教えた後に
「使っていい?」
と違ったバリエーションの行動も
言うようになることです。

また時間が経過しても行動が続くことは
維持と呼びます。

一か月後も挨拶できることは
維持です。

2.全ての般化を直接練習することには限界がある

般化は人や場所を変えて練習することで
起きやすくなります。

しかし考えられる条件を
全て練習することは事実上不可能です。

例えば挨拶だけでも

  • 母親。
  • 父親。
  • 祖父母。
  • 先生。
  • 友達。
  • 店員。
  • 近所の人。
  • 初対面の人。

等の相手がいます。

さらに

  • 朝。
  • 昼。
  • 夜。
  • 家。
  • 園。
  • 学校。
  • 店。
  • 公園。

と条件が変わります。

これらを全て組み合わせて
練習することは現実的では
ありません。

般化は計画する必要がありますが
完全に狙って起こすことには
限界があります。

そのため代表的な人や場所で
確認するだけではなく

最も指示に従いやすい相手に
高い基準の行動を求めます。

家庭で十分に行動を習慣化させた上で他の人や場所では一段階レベルが低い行動が
出ることを目指します。

3.家以外で行動しない原因はスキル不足とは限らない

家ではできるのに
園や学校ではできない場合
子供がその行動を
忘れたとは限りません。

既に家で一人でできるなら
行動に必要なスキルは
持っている可能性が高いです。

問題になることが多いのは

  • 親以外の指示に従う気がない
  • 家以外で親の指示に従う気がない

というコンプライアンスの問題
であることが多いです。

例えば家では片づけるまで親が
必ず行動させますが
一方で園では片づけなくても
先生が残りを片づけます。

この場合

  • 家では片づける。
  • 園では片づけない。

という行動の違いが生まれます。

4.母親と父親で子供の行動が違ってもよい

同じ家庭内でも母親と父親に対する
子供の行動は異なります。

  • 子供と接する時間の長さ。
  • 指示を拒否した時の対応。
  • 体格。
  • 指示の出し方。

等が違うからです。

母親とは毎日生活行動を練習しているため
指示に従いやすいけれど

父親と過ごす時間は短く
指示される経験も少ないため
行動しにくいということがあります。

この時に母親にできるのだから
父親にも同じように行動すること
を求める必要はありません。

父親が母親と同じ対応を
完全に再現することも
現実的ではありません。

接する時間や経験が違えば
子供の行動が違うのは
自然なことです。

5.両親への行動の差を般化の練習に使う

母親と父親に対する行動の違いは
なくすべき問題ではなく
般化の練習に使えます。

例えば母親に対しては

  • 自分から母親を見る。
  • 自分から「おはよう」と言う。
  • 相手に聞こえる声で言う。

という高い基準を求めます。

父親に対しては最初から
同じ基準を求めません。

父親が「おはよう」と言ったら
子供が「おはよう」と返す。

という一段階低い基準で
できるか確認します。

もし父親に対してできない場合は
さらに母親に対しての行動基準を
上げることが必要です。

決してその場で叱責等で
行動させようとしない方が良いです。

父親にできても両親以外には
できないままですから。

母親が子供の行動基準を
十分に高めることで

父親に対しても挨拶を返す行動が
出ることを目指します。

母親と父親の両方で
全く同じ条件と基準を作ると
母親以外の人にも
行動ができるようになっているのか
確認しにくくなります。

  • 指示に従いやすい親。
  • 少し従いにくい親。

という違いがあることで
般化の程度を確認できます。

母親より父親の方が
接する時間が長く
指示に従いやすい場合は

父親で高い基準を教えて
母親で低い基準を確認します。

大切なのは
母親か父親かではありません。

最も行動を教えやすい相手で
基準を上げることです。

6.親以外には一段階低い行動が出ればよい

親に対して自発的な挨拶ができても
先生や他児には
自発的に挨拶できないことがあります。

この場合に
家でできるのだから
先生にも自分から言いなさい。
と同じ基準を求めません。

  • 親に対しては自発的に挨拶する。
  • 父親には挨拶されたら返す。
  • 先生には挨拶されたら返す。

というように
基準を下げて考えます。

家庭で高い基準を安定させることで
家庭外でも一段階低い行動が
出ることを目指します。

家庭外の行動がパフォーマンスが
低いことだけを見て

  • 般化できていない。
  • 練習が足りない。

と判断しません。

7.好子を伴わない行動は家庭外で大きく低下しやすい

要求言語のように

行動すると欲しい物を
得られる行動は

自然な好子があるため
般化しやすいことがあります。

  • 「ジュース」と言えばジュースが得られる。
  • 「貸して」と言えば物を借りられる。

という行動です。

一方で

  • 静かに座る。
  • 親の指示に従う。
  • 使った物を片づける。
  • 相手を待つ。

等の行動はその場ですぐに
分かりやすい好子を
得られないことがあります。

このような行動は家庭外では家庭より
大きく低下すると考えておきます。

時間で考えるなら家庭の10分の1程度を
最初の基準にする方法があります。

家で1分間座れるなら
家以外では6秒間座れれば
最初は成功とします。

これは全ての子に共通する
厳密な基準ではありません。

家庭外で無理な基準を
求めないための
実践上の目安です。

8.家庭外でできない行動はその場で直そうとしない

親と一緒での外出先で行動できないと

  • その場で繰り返し練習する。
  • 何度も指示する。
  • できるまで帰らない。

という対応を
取りたくなることがあります。

しかし外では

  • 周囲の人がいる。
  • 長時間待てない。
  • 親も落ち着いて対応しにくい。
  • 問題行動を最後まで制御しにくい。

という条件があります。

家庭外でできなかった行動は
その場で完全に直そうと
しない方がよいです。

家へ戻ってから
家庭で求める基準を
上げます。

例えば外で
6秒しか座れなかった場合です。

外で何度も
1分間座らせるのではありません。

家で

  • 1分間座る。
  • 3分間座る。
  • 5分間座る。

と基準を上げます。

家庭で10分間
安定して座れるようになった後に

外で再び
1分間座れるか確認します。

外の行動を改善したい時ほど
家庭での行動基準を
上げることが重要です。

9.代表的な人や場所では実際に確認する

全ての条件で
練習することはできません。

しかし全く人や場所を
変えなくてよいわけでも
ありません。

代表的な条件では
実際に確認します。

例えば要求なら

  1. 母親。
  2. 父親。
  3. きょうだい児。
  4. 先生。

の順で確認します。

場所なら

  1. 自宅。
  2. 祖父母宅。
  3. 人が少ない店。
  4. 園や学校。

というように広げます。

10.過剰般化は意欲的に行動した結果でもある

子供が覚えた言葉を
別の場面でも使うと

  • 言葉の使い方が違う。
  • 間違えている。

と考えることがあります。

例えば子供に「ちょうだい」
を教えたとします。

その後容器を開けてほしい時にも
「ちょうだい」と言うことがあります。

これを過剰般化と呼びます。

適切な言葉は「開けて」かもしれません。

しかし初期段階では全く問題ありません。

子供は覚えた言葉を使って
自分から相手へ
働きかけています。

これは不適切行動というより
覚えた行動を色々な場面で
使おうとしている状態です。

過剰般化は
行動が広がっている
良い兆候でもあります。

11.親の隠れたプロンプトを確認する

家では一人でできると
考えていても親が小さなプロンプトを
出していることがあります。

  • 子供の顔を見る。
  • 片づける物を見る。
  • 子供の行動に頷く。
  • 子供の前に立つ。
  • 指を少し動かす。
  • 次に使う物を置く。

等です。

子供は言葉ではなく
このような親の行動を
手掛かりにしていることがあります。

家以外では
同じ手掛かりがないため
行動できません。

般化を確認する時は

  • 親が何も言わずにできたか。
  • 親が見ていなくてもできたか。
  • 物の位置が変わってもできたか。
  • 別の人が同じ指示を出してもできたか。

を確認します。

親のプロンプトが必要なら
まだ完全に般化したとは
考えません。

実践例

親以外の人に
挨拶できない子の場合です。

子供は母親から「おはよう」と言われれば
返事ができました。

しかし自分から
挨拶することはありませんでした。

父親や先生から挨拶されても

  • 相手を見ない。
  • 何も言わない。
  • 母親の顔を見る。

という行動がありました。

この状態で先生や他児に対して

  • 自分から挨拶する。
  • 相手を見る。
  • 大きな声で言う。

という基準を
一度に求めることは困難です。

まず最も指示に
従いやすい母親との行動基準を
上げます。

母親に対して自分から挨拶ができるように
教えていきます。

母親への自発的挨拶が
安定してから父親への挨拶を
確認します。

父親には最初から
自発的挨拶を求めません。

父親が「おはよう」と言った後に
子供が父親を見て「おはよう」
と返せれば成功とします。

  • 母親には自発的な挨拶。
  • 父親には挨拶への返答。

というように基準を分けます。

もし父親が挨拶をしても
子供が無視をする場合は
母親に対して大声で自発的に挨拶を
できるように教えます。

父親に挨拶ができるようになったら
園の先生にできるか確認します。

園の先生に対してできない場合は
園で親に対して挨拶する練習を
します。

このようにできることを
徐々に増やしていきます。

メルマガをしています。

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