自閉症児は「異常」が「正常」と思われてしまう

自閉症スペクトラム障害児に対して支援者は必要以上に目標を下げがちです。
これは障害者のみを指導する支援者に多くみられる行動です。
例えば
保育園では座れている子でも療育では離席が多くなることがあります。
これは療育では着席の継続を強制せず、できなくても仕方ないと考えるからです。
このような状態になってしまう原因として
「逸脱の正常化」が挙げられます。
「逸脱の標準化」とは、アメリカの社会学者Diane Vaughanが提唱した課題で、正確もしくは適切な行動やルールから逸脱してしまうことが政府や会社で正常になってしまうこと 英語版Wikipedia” Normalization of deviance”を抄訳
これはアメリカのスペースシャトル事故の検証の時に使われました。
療育でも同じようなことが起きていると考えられます。
「手伝うことが当たり前」「やらさないのが当たり前」
このように自閉症の診断を受けている子ができないとみなされやらさないことが通常になってしまうことはもったいないです。
自閉症児が「できない」ベースで考えるのではなく「できる」ベースで考えて支援するようにしましょう。