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「発達障害の成長を見守ること」の功罪

日本で発達に課題がある子供への支援は積極的には行わないことが多いです。病院や療育機関では、成長を見守ることがメインです。

子供の発達を見守る支援を経過観察と呼んだりします。経過観察のメリットは

  • 現在できない行動でも成長したらできるようになる可能性がある
  • 無理をさせないので子供が嫌がる可能性が低い

があります。ですが、経過観察と言うと聞こえはいいですが実際には期間を決めずに経過観察をしていることも多く発達を見守ることで公的療育が終わることもあり得ます。

経過観察をしている施設や機関の特徴は

  1. 家で子供のためにすべきことを聞いても「色々な経験をさせてください」「いっぱい話しかけてあげてください」等の抽象的なことしか言われない
  2. 療育目標が「〇〇を楽しむ」「○○を感じる」のように具体的な行動目標が説明されていない
  3. 子供が療育中に問題行動をしても基本は制止せず、子供の好きなように活動することを許可する

ことがあげられます。

厄介なのは経過観察では

  • 子供が自然に発達して行動が改善したら経過観察の効果と説明される
  • 子供が成長せずに就学を迎えた場合は、その子の生まれつきの能力に原因があると説明される

ことでどちらにしても経過観察に悪影響はないと説明されることです。

それでも経過観察が使用される理由は積極的で適切な療育を提供する制度が日本にないことが関係しています。週1〜2回の短時間で改善することは難しいですし効率的に支援する専門家もほとんどいません。

経過観察の支援そのものを否定するわけではありませんが、3歳で無発語状態や癇癪が日に日にひどくなっている場合は自然な改善が望めないので積極的に療育で支援を行っていくべきです。

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