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発達障害は治らない?(自閉症療育)

 最近、「発達障害」がクローズアップされる機会が増えてきています。その影響か、ネットサーフィンをしていると、わらにもすがりたい気持ちで苦悩している親をターゲットにした、うさんくさくて怪しい商売が目立つように感じます。
例えば、「公認心理師」は国家資格ですが、「カウンセラー」と名乗るのに国家資格は必要ありません。つまり、「心理カウンセラー」はいつでも誰でもなれます。「○○会認定カウンセラー」などの民間資格を創作して、「ママのお悩みを解消します」と宣伝している人も見かけます。しかし、その資格は組織内だけで通用するものであり、公的なものではありません。

子育ての経験があるだけで、SNSで宣伝し、無料メルマガで誘う…その先に高額な商品が控えていることがあります。

「子どものためになるのなら、お金は惜しまない」と考えている親の弱みにつけ込むのは、どうなのでしょうか。責任を持ってアドバイスをするならば、その家庭の背景を知り、何度もその親子に会って親の関わり方を観察し、長い期間を一緒に過ごすことが不可欠だと思います。
また、発達障害について「治ります」とうたっているウェブサイトもあります。発達障害は、その行動などが療育で改善することはあっても、障害自体がなくなることはありません。年齢を重ね、高齢者になっても発達障害者です。そのような宣伝をするウェブサイトは、明らかに怪しいサイトなので注意が必要です。

https://otonanswer.jp/post/46823/

発達障害は治ると説明するのは、イギリス等で禁止されています。ただし、この文章でおかしいのは、「 発達障害は、その行動などが療育で改善することはあっても、障害自体がなくなることはありません。」というところです。

発達障害というのは医学的所見があるのではなく、診断基準はあくまで発達検査や行動観察です。ですから、理論上は発達検査や行動観察では見つけ出すことができなくなります。

つまり、その者が発達障害であるかどうかは過去の診断歴や療育歴に頼らないとわからない状態になります。例えば、言葉が遅れて初期だけ療育に通ったけれどその後回復して普通級に通って社会で問題なく働いている者は一生発達障害者でしょうか。

発達障害というのは現在の状態を表す言葉であって、永続的なものではありません。ですから診断名が変わることや診断名が外れることもあります。

ただ、問題なのは、「発達障害が治る」と説明するとすべての発達障害が治るというようにとらえられてしまうことです。ですから、正確に伝えるとすると「発達障害と診断基準となる問題行動がすべてなくなるケースもある」ぐらいにしたほうがいいですね。

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