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消去の注意点③(無視とは違う対応を取る)

消去は無視とは違います。それは以下の点です。

  1. 不適切な行動にのみ注目せず対応する
    起こっている行動の全てに注目しない無視とは違い、有形物注目逃避の機能を持つ場合に好子を得られない、嫌子を避けられないようにして対応します。以下が例です。
    ・お菓子が欲しいと泣く子供に「帰るよ」と声をかける(泣いて物を要求する行動を注目せずに対応している)
    ・悪口を言って大人を呼ぶ子供に無表情で他のことをするor「やめて」と冷静に伝える(注目を得ようとする行動に注目せずに対応している)
    ・だるいから学校に行きたくないという子供に対して「熱を測って」と伝える(嫌子を避けようとする行動に注目せずに対応している)
  2. 攻撃行動は制止してよい
    消去バーストが起こると大人に対して攻撃行動を取ったり、自分を傷つける自傷行為が発生する可能性があります。その場合、不適切な行動にのみ注目しなければよい(泣いてお菓子を要求する等)ため、このような自傷・他傷行為は制止してよいです。
    ・お菓子が欲しいと頭を打ち付ける子供に対して「止めて」と伝えて手を制止する、もしくはヘルメットをかぶせる(自傷行為を制止する)
    ・悪口を言って叩いてくる子供に対して「止めて」と伝えて体を押さえる(他傷行為を制止する)
    ・だるいから学校に行きたくないと言って物を投げる子供に対して「止めて」と伝えて手を制止する(破壊行為を制止する)
  3. 適切行動をほめて好子による強化を行う
    消去では不適切な行動のみを機能させなくする方法です。適切な行動を増やしたり教えたりすることはできません。よって、適切行動が出た場合には好子による強化を行う必要があります(代替行動分化強化)。
    ・お菓子が欲しいと泣いていた子供が立ち上がり歩き出したら誉めてあげる(適切な行動を好子による強化を行う)
    ・悪口を言っていた子供が「パパ」と適切な呼びかけをした時にほめる(適切な行動を好子による強化を行う)
    ・学校にいきたくないと言っていた子供が学校へ行く準備を始めたらほめる(適切な行動を好子による強化を行う)

これらが消去と無視の違いです。

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