夏休み明けに準備なしで大変なのは当たり前
不登校保護者会は7月、児童精神科の専門医を招いて勉強会を開いた。東京慈恵会医科大学准教授の井上祐紀さん。児童精神医学の分野で、主にADHD(注意欠陥多動性障害)の幼児、思春期、青年期の子どもたちを診察し、研究を重ねてきた。井上さんは、不登校を問題行動の一環ととらえる教育界の風潮にそもそも問題があると指摘する。
https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20190827-00140087/
「不登校を問題行動として見ると、原因がその子の中にしかないことになります。その延長上に引きこもりへの偏見があるんです」
「不登校は健康問題としての側面があるんです。その子がきつい症状を抱えているんです。そのきつさを避けるためのやむにやまれぬ行動が不登校なんです」
「発達障害がある子は不安症状が強いから教室に入れないことがある。これは健康問題なのに問題行動と捉えるから指導が強圧的になる。だからますます学校に行きたくなくなる。悪循環です」
より良い支援があれば不登校の子供が減るのは当然のことです。現に小野昌彦先生や小林正幸先生はABAを使用して不登校の数を市町村単位で減少させています。しかし、それらをすべての学校で求めるのはむずかしいでしょう。既存の施設や制度を批判することは簡単ですが、不登校の生徒達は学校制度が変わるまで不登校状態が続くのでしょうか。
こういった場合、残念なのは「しんどいから逃げ出してよい」という話だけで、「しんどいから徐々に慣らしていこう」という話にならないのです。例えば、不登校がちの子供が夏休みに入ったら不登校を改善できるような働きかけをしていくことで夏休み明けの行動の改善が期待できます。
夏休み明けがしんどい子供に対しても、夏休みが終わる前から少しずつ慣らしていけばさほど問題は起きないはずです。そういった支援が広がりますように。