セラピーは障害の程度が軽いほど難しくなる(自閉症療育)
数多くの自閉症スペクトラム障害等の発達障害児をサポートしてきました。その中でよくある勘違いが「能力が高い者程セラピーが簡単」ということです。これは大きな間違いです。
- 能力が低い子供→伸ばすべき行動が少なく明確です。例えば、発語、トイレ、攻撃行動の消失等です。 初期段階でひらがなといった高度なことは教える必要がありません。
- 能力が高い子供→伸ばすべき行動が多岐にわたります。例えば、小学校では、対人コミュニケーションスキル、アカデミックスキル、自助スキル等です。ケースによって行動を変えるといった柔軟な対応を教える必要があります。
さらに、能力が高い子供の場合は多くの場合、家以外での環境での行動が問題になることが多いです。このような場合、特定の環境を用意することに手間がかかります。
ただし、子供の能力が伸びれば伸びるほど問題の深刻度は下がっていきます。例えば、当初は話せないという問題があった子供が同年代の子供のコミュニケーションに問題があるといった程度の軽い問題になっていきます。
家庭でのセラピーは継続し続ければ必ず親も子供も成長していきます。子供の能力が高まるにあわせて親の指導能力も上がっていけばよいのです。