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その行動の改善が何の意味を持つか(矯正教育)

彼ら(非行少年)に、非行の反省や被害者の気持ちを考えさせるような従来の矯正教育を行っても、ほとんど右から左へと抜けていくのも容易に想像できます。犯罪への反省以前の問題なのです。またこういったケーキの切り方しかできない少年たちが、これまでどれだけ多くの挫折を経験してきたことか、そしてこの社会がどれだけ生きにくかったことかもわかるのです。
医療少年院勤務の後、女子少年院にも1年間ほど勤務しました。非行少女が収容される女子少年院の実態も知っておきたいと思ったからです。女子少年院には医療少年院と重なる部分もありましたし、違った問題点もありました。
彼らにどんな特徴があるのか、どうすれば更生させることができるのか、そして同じような非行少年をつくらないためにどうしていけばいいのか。そうした問いに対する私の考えを近刊『ケーキの切れない非行少年たち』に記しました。

ポイントは、すべての学習の土台にある「認知機能」を向上させることです。認知機能を高めないまま、認知行動療法のような「すでに認知機能が備わっている」ことが前提となるプログラムを施しても、あまり効果は望めません。そこで私は、少年院での知見を元に、自分でプログラムを開発することにしました。
それが、1日5分で、簡単に、お金をかけず、子どもたちを傷つけることなく、ゲーム感覚で認知機能の向上を図れるプログラム「コグトレ」です。
認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する、「覚える」「数える」「写す」「見つける」「想像する」の5つのトレーニングからなっています。
「コグトレ」は少年院だけでなく、学校の現場で困っている子どもたちに対しても効果的な支援となりうるプログラムで、すでにいくつかの小学校などでは導入されています。

https://toyokeizai.net/articles/amp/292381?page=4

 以前にNNNドキュメント『障害プラスα』に出ておられた方ですね。私の意見は以前に書きましたが、問題行動をすでに起こしてしまっている者に対して認知から変えていくというのは、かなり悠長な方法ではないでしょうか。

 また、「すでに認知機能が備わっていない」者であるならば、認知機能がなかったとしても適切行動が身につくような方法に変更していくほうが良いと思います。

 認知機能を鍛えるというのは、体幹トレーニングや、発達検査の練習と同じように感じます。たとえ練習によってそれが正常になったとしても、どの行動がうまくなるかは確かではないです。

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