小学校就学は療育のゴールか?
(出典:PhotoAC)
今の時期、お子様の就学に際して普通級か支援級か支援学校かで迷われているご家庭も多いと思います。はっきり言いますが、発達に遅れがある子供にとって小学校への就学はゴールではありません。
日本の多くのABAセラピー提供団体では、就学を目途にサービスを終了しています。同様に病院での言語訓練や作業療法も就学後は受けられないことが多いです。ですが、これは単なる制度上の問題(サービスに対する受給者証が使えなくなるから等)です。
無理して普通級や支援級に入った子供の場合、それぞれのレベルに基づく小学校での授業についていく練習が始まります。例えば、授業中座り続ける、板書をノートに写す、先生に質問するといったことです。
支援学校を選んだ場合も、学校では学ぶことが難しいことの練習が必要です。例えば、適切な言葉で相手に伝えることの練習、外出する練習、洗濯する等の家事を課題があります。
何度も書いていますが、療育の最終ゴールは、
- レベルに合わせた自立した生活(可能な者は一人ぐらし、難しい場合はヘルパーを使用しながら、難しいものは身の回りのことが一人でできるように)
- レベルにあわせた就職(可能な限り、障害者雇用枠や一般企業)
です。よって、
- 頑張って普通級に入った子供→普通級についていく練習、対人関係に焦点を当てた練習(いじめられない、いじめないようにする等)
- 支援級に入った子供→先生に注意されなくても座り続ける練習、普通学級に入った時に一斉授業で静かにする練習
- 支援学校に入った子供→言語訓練、身の回りの生活動作訓練、就職に焦点を当てた訓練
のように、それぞれのクラスに入ってからも課題を実施していくべきです。支援学校に入学した場合は、学校側で求められるスキルというのは多くのはありませんが、自立に向けた訓練を実施することを考えていきましょう。