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発達障害児は将来働けるのか(データからの考察)

自閉症スペクトラム障害等の発達障害児は将来働くことができるのでしょうか。

日本発達障害ネットワーク2008年の調査によると、学業終了後の就職率は一般への就職が40%弱、障害者枠での就職が10%程度、パートが6%程度、授産施設と作業所が10%程度、職業訓練が20%程度、在宅が15%程度になっています。この場合、「知的障害を伴わない発達障害を中心として」と書かれているため、かなり障害の程度が軽い者が対象と考えたほうが良いと思います。

では、特別支援学校高等部の就職率はどうでしょうか。文部科学省のデータ、特別支援教育資料(平成28年度)では特別支援学校高等部卒業後の「知的障害」者は進学が0.4%、教育く訓練機関等が1.3%、就職者が32.1%、社会福祉施設など入所・通所者が62.0%、その他が4.1%になっています。おそらく、その他に在宅が含まれるのでしょう。

就職率が32.1%ですが、残念ながらこれは純粋に小学部から支援学校に通っている者が就職できる割合ではありません。中学までは支援学級に所属していた者の実に63.4%(平成28年度)が支援学校高等部に進学します。就職しているのは殆どがこの途中から支援学校に進学してきた者であると考えることが自然です。データも支援学校に内部から進学してきた者と外部から進学してきた者を分けなければあまり参考にはならないでしょう。

ここまでの情報だけでも発達障害児が将来就職することがいかに難しいかがわかると思います。

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