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光とともに…第1巻誕生・幼児編第2話

今日は光とともに…誕生・幼児編第2話です。
第1話で行った福祉センターを母・幸子と光が一年ぶりに訪れる所から始まります。結局母子クラスに通園することになりますが、父・雅人とすれ違い、幸子が光を連れて実家に戻る所で終わります。

P55で幸子が涙ぐみながら話を聞いてくれる福祉センターの保育士・新井に感動しています。ですが、相手の話を聞いてもらい泣きするというのは支援者としては失格だと思います。支援者というのは相手に共感しつつも、冷静な視点が求められます。もらい泣きというのは相手の感情に巻き込まれているので冷静な判断ができなくなります。

P56で幸子の傘を母子クラスに通園していて、傘にこだわりがある小山田太陽(ひろあき)が取りに来ます。すぐに母親が傘を太陽から取り上げて幸子に返しますが、太陽は泣いてしまいました。対応としては間違っていません。こだわりとは他人や日常生活に支障をきたさない範囲ではよいですが、太陽のように他人の物にこだわる場合は泣こうが、わめこうがすぐに消さなければなりません。ここに一工夫を加えるとすると、他人の傘が目についても取りにいかなければほめて、ほめてあげればよいでしょう(他行動分化強化)。もしくは「貸して」と言えた時に貸すことを教える(もちろん、傘を貸さない場合もあります)という代替行動分化強化を使用してもよいかと思います。

P62で臨床心理士が自閉症スペクトラム障害の出現率は『1000人に1.5~2人』と解説しています。DSM-ⅣーTRではアスペルガー症候群PDD-NOSといった軽度の症状も含まれたので88人に1人が広汎性発達障害と診断されていましたDSM-5に診断基準が変わり、おそらくかなり自閉症スペクトラム障害と診断される者の数は減ったと考えられます。

P67で母子通園のプログラムとしておそらくアイコンタクトの練習をしています。物を渡す時に物を大人の目の前まで持ってきてから渡すように指導しています。この方法だと確かに目はあいますが、物を大人の目の前に持ってこなければいつまでたっても目が合いません。こちらのトレーニング方法のほうがより実践的な自発的アイコンタクトができるようになります。

P67で光がベビーカーにこだわりがあり、幸子がずっと使い続けているということが描かれています。太陽の母親のように泣いてもわめいてもベビーカーを使わなければすぐにこだわりはなくなります。ですが、どうしても大パニックは避けたい場合はスモールステップで卒業していく方法がよいです。例えば、家から療育施設までベビーカーに乗る場合は玄関から少し歩いてからベビーカーに乗せます。そうして乗るまでの距離を少しずつ離していくのです。ベビーカーに乗っていい距離まで歩くまでは泣いても無視をします。そして段々とベビーカーに乗らずに歩く距離を増やしていく方法です。歩いている間は存分にほめてあげる(ただし、お菓子等の物的好子を使用してはいけません)とうまくいきやすいです。

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