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ABAは人間の性格を変えるものではない

(出典:PhotoAC

 私は、仕事での依頼で多いことが以下の通りです。

  • 激しく泣く行動を無くしたい(自傷行為を含む)
  • 他人への攻撃行動を無くしたい
  • 衝動性の高い行動を無くしたい(道路に飛び出る等)

 これらは、適切に対処すれば改善できます。例えば泣いていた子供は泣かずに要求する、もしくは諦めるといった行動を身に付けます。他人への攻撃行動がある子供は攻撃行動がなくなり、言葉での要求、もしくは諦めるといったことを覚えます。ですが、これらは本人の性格を変えているわけではありません。

 重要なのはABAでは行動を「ある条件下」で制御しているに過ぎないということです。例えば、泣いてしまうと要求に応じてもらえず放置されるといった条件下での改善ができます。

 では、これらが元の環境に戻ったらどうなるでしょうか。残念ながらセラピー前の元の状態に戻る子供が多いです。しかし、これはある程度大人でも起こることす。

 例えば、スピード違反を取り締まらなくなったらドライバーの中には猛スピードで走らせる者がいるでしょう。窃盗に罰則がなかったら万引きを繰り返す人もいるでしょう。

 このように条件というのは法律であったり、条令であったり、家族でのルールであったりします。通常は、一つの場所や場面で学んだルールを他の場面で守っていくことができる人が多いですが自閉症スペクトラム障害等の発達障害児の中では、一つの場所でのルールを他の場面に応用することが極端に苦手な子供がいます(般化能力が低い)。こういった場合は、施設や地域を通してABAを用いた支援を行っていくことが効果的ですが、日本では難しいです。では、家庭での介入のみで外の改善を狙うことはできるのでしょうか。

 答えは、工夫すればできます。詳細はまた明日記載します。

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