(出典:GAHAG

子供に対する早期のABA集中療育は「後にトラウマになる」「母子関係が壊れる」といったことを言う人がいます(残念ながら同職である臨床心理士が多い印象です)。これは本当なのでしょうか??

ということで調べてみました。

Pubmedで「”Applied behavior analysis” “trauma”」で調べました。結果は7件出ましたが、療育の結果トラウマが起きたというものではなく、トラウマを治療するにはどうすればよいかというものでした。

Ciniiでも調べました。ですが、療育でトラウマが発生するといった論文は確認できませんでした。この場合、「ではABA療育でトラウマにならないという証拠を出せ」というのは悪魔の証明になりますので無理です。よって、ABA療育によってトラウマが生まれる、母子関係に困難が生じるというのはデマです。

では、なぜこのようなことが言われるかは心理特有の”メンタリズム”という考え方が関係しています。メンタリズムの定義は以下の通りです。応用行動分析学からの引用です。

このアプローチでは、行動の次元とは異なる、メンタル、すなわち「内部の」次元が存在すると仮定する。この次元は通常、神経系という特性、ないしは、心的、精神的、主観的、概念的、または仮説的な特性を表している。メンタリズムではこの次元における現象が行動のすべてとまでは言えないにしても、少なくともその一部については、行動の直接の原因になるか、少なくともそれらを媒介するもの、とさらに仮定する。(P.20)

つまり、療育をすることで、内部の次元に問題が起き、トラウマなどが起きるのではないかということを考えるわけです。また、メンタリズムは説明的虚構によって構成されています。

しばしば観察された現象をそれによって説明すると主張する当該の現象の別名という形式をとり、その現象の機能的説明や理解には何ひとつ貢献しない。例えば、ある生命個体がなぜ点灯して食物が入手できるとき挺子を押し、なぜ消灯していて食物が入手できないとき挺子を押さないかを、「知能」や「知的認識」を使って説明する場合のように。(P.1144)

なかなかわかりづらいと思いますが簡単に言うと、現実にはあるかどうかわからない現象(明確には測定することができない行動)をトラウマや母子関係といった名称をつけて説明するけれど、実際の問題の解決に何の役にもたっていない状態です。

ABA療育というのは文句をつけられやすい方法です。私の担当したお客さんがABA療育に対して今まで臨床心理士等に言われたこととしては以下のようなことがあります。

  • 今よくなっても思春期以降にトラウマが起こります
  • ABA療育を実施している日の翌日の療育はすごく調子が悪いです(本当かどうか確認してもらうため、ABA療育を実施した日を療育先に伝えたら全く当たっていませんでした)
  • 今は親子の絆を深める時だから、無理に療育を行ったら母親を信用しなくなりますよ。
  • 動物と同じ訓練をしたら虐待です。
  • 指示をされないと動けないロボットのような子供になります。
  • ABA療育をしているのであれば公的療育には来てほしくないです。

これらの言葉が同業者から出ているのは悲しい限りです。

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